Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#921 (仕事の)数字に強くなりたい~「財務経営力の強化書」

『財務経営力の強化書』赤岩茂・鈴木信二 著

確かに強化書。

 

なかなか記録の追い付かない日々。この頃は紙の書籍を読むよう努めている。圧倒的に多いのがビジネス書で、書店で見つけて「これこそ今の私のパワーアップに必要な一冊!」と意気込んで購入するのだが、それが全く実力につながっていない。というのも必要と思える本を購入し、手元にあるという安心感だけで満足してしまっているからだ。しっかり読まなくては身に付かないし、本もその栄養価がフレッシュなうちに読み始めないと内容価値が劣化してしまう。書籍そのものの質が下がるのではなく、「必要」と思っている読む側のモチベーションが下がるので拾える情報に限界が出てくるのではないだろうか。

 

私は数字に弱い。だから財務関連の内容の話題が出てくるとものすごく焦る。みな暗算でものすごい数字を把握したりするのだが、私がゼロの数を下から一十百千万と数えてやっと1,234,567,789,000が1兆2345億6778万9000であると数字の大きさを把握している間に同僚はすでに上の数字を米ドルに計算し大体の財務状況のシミュレーションが終わっている。

 

すごい人が周囲に山ほどにいるので、会話のテンポも速く付いていくだけで精一杯。いや、ついていければラッキーなほうで、半分以上わからないこともある。本書は多分そんな打たれまくった日に購入した一冊なのだろう。結局「財務について学ぼう」の波は徐々に落ち着きを見せ、今や完全なる静かな凪ぎ。しかし、財務の話はビジネスにおいては避けられないので、とにかく目を通さねばと強い意志で読み始めた。

 

まず、私のように会計や財務について、社会人になって会社に入ってから学びました!な人には体力をつけてくれる一冊かもしれない。決算書とかわけわからん!な場合にはこれよりもより嚙み砕いて説明してくれている書籍は沢山あるので、そちらを数冊読んでからのほうがわかりやすいだろう。

 

加えて本書は会社を経営する立場の方がお読みになれば、具体的なお金事情が見えるような内容となっている。自分の会社がどのくらいのお金を持っているのか、何に使っているのかを知り、次に何をすべきかを考えるにあたってのポイントがかなり具体的に記されている。

 

私の場合、さっと目を通し今自分が知りたい事を探すのに大いに役立った。それは「どこに問題があるのか探す方法」で、決算書の中からどう引き出すかが説明されている。計算式が提示され、その具体例があることから私でも理解することができた。日頃数字に対する苦手意識があると、ロジックをすぐにキャッチできないので読むことすら苦痛になることがある。「あ、無理」と気持ちがシャットダウンしてしまうのだが、そこをもう一歩がんばって1章でも読んでいくと、必ず一つの知恵が授かる構造になっている。一度読んでわからなくても、表や例を何度も見てゆっくりで良いから納得するように読んで行けば、説明されている内容をどう業務に活かすかが見えて来た。

 

まずは知りたい内容や必要な情報だけを読んでいく読み方でも構わないだろう。まあ、最初から読んでいく方が決算書についての包括的な知識が付くと思うが、数字苦手な人は必要なところから読んで、いつか全体的にわかるようになる方法でも良い。私も今はそんな感じで読み、とりあえずいつでもチェックできるように会社のデスクに常備した。

 

本書は一つのポイントを知ることで実務に大きな進歩を感じられるようになったことから「強化書」であることは間違いない。ああ、数字に強くなりたい!ところで本書、今みるとKindle Unlimitedでも読めるらしい。なんと便利!