『しあわせは食べて寝て待て』水凪トリ 著
薬膳。
ずっと気になっていた作品を読んでみた。幸せは食べて寝て待てなんて、人生の教訓にも等しいタイトルな上に、表紙のキッチンの絵もとても素敵。
主人公のさとこは38歳。都内の建築会社でバリバリ働いていたが、免疫系の難病と診断されたことを契機に生活の流れを変えることにした。まず体力的にも精神的にもハードだった会社を退社し、会社の知り合いの伝手でデザイン会社で週4日パートで働くことに。そして築45年の2LDKの団地暮らしを始める。
とにかく無理はできず、ちょっとの負担が体に大きな影響を与えてしまう。節々は痛み、体力が続かない。しかし、さとこの住む団地の大家さん一家の優しさや、体に良い食事を意識するようになりどんどんと前向きになってきた。
本当は長く勤めてマンションを買おうと考えていた。ところが病に倒れ、安定した収入が得られなくなった今、さとこは引越しを考える。まずは不動産屋さんとともに物件を見に行ったのだが、そこで出会ったのが90台の大家さん。体調の悪いさとこに「頭痛には大根」といきなり大根を食べさせた。
いやいやいや、治るはずないでしょ！と思いつつも大根を食べたさとこだが、意外なことに本当に頭痛が引いていた。この団地は人と人とのつながりがあり、その温かさにも惹かれて結局ここに住むことを決める。
そして、大家さんの孫と思わしき司青年は薬膳に詳しくさとこも影響を受ける。
食べたものが体を作る。薬膳についての話を読んでいると、滋養を付けるというよりデトックスして滋養を体に取り入れる状態に持っていくような印象を受けた。色で薬膳の効果を考えるのも楽しくて、食生活を楽しくするにもよいのでは？と結局今出ている4巻全部を購入するほど影響を受けてしまった。
よし、薬膳。ちょっとやってみる。
