Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#604 憧れの読書スペース作りに必要なもの ~「小さな巣をつくるように暮らすこと」

『小さな巣をつくるように暮らすこと』岩﨑朋子 著

憧れのショップ。

 

あっという間に終了してしまった地域もあるという旅行支援。実は私も一ヶ所だけどうしても行きたくてこの機会にチェックしてみよう!と考えていた地域があった。昨日から受付開始と聞いていたのだが、夕方に見た際には「終了」の文字が…。いつかチャンスが訪れますようにと思いつつ、ここは片付けに専念しろ!というお告げだと思って週末は家のことに集中したい。

 

モノを処分し始めると床面積が増え、目線が下に行くようになった。山と積まれた本たちも今は所定の位置に収められたし(ぎゅうぎゅう詰めだけど)、テーブルやシンクの上など置きっぱなしにしないように気を付けてからというもの、スッキリ感が2倍増しくらいである。

 

元々インドア派なのに、更に家の中が快適になってくると、より一層こもる可能性が大。加えて寒くなるシーズン、余計に外に出る機会は減るだろう。そして家の中をもっともっと自分好みに!と欲が出始めてから、ふと思い出した。そうだ、私は読書スペースを作りたかったのだ!と。

 

読書スペースというほどのことでもないのだが、今はダイニングにあるテーブルと椅子が私のメイン空間になっているのだが、この椅子の座り心地が余り良くない。作業に集中している時はそれほど感じないのだが、ふと気が付くと尾てい骨が痛くなり、もし人間にしっぽがあるなら、これは多分しっぽの付け根当たりだろう。そこに痛みが出てくる。憧れはイギリスのドラマに出来るような一人掛けの安楽椅子で、そこにすっぽり収まりながら本を読みたい。

 

候補は2つあった。その第一候補が都内から移転されたと聞き、長い間実物を見られずにいる。それが本書の著者が経営する「巣巣」の安楽椅子だ。

 

 

この左側の温かみのあるイエローの安楽椅子とオットマン。これがものすごく欲しいのです。やっぱり欲しいなあ、と思いつつあれこれチェックしていたら、今は富山に移られたということを知り、オンラインでも購入可能であるということを知った上に、本書が出ているということで狂喜乱舞。まずは書籍から早速購入と思ったら、なんとKindle Unlimitedで読めるということで、まずはオンライン版を読んだ。

 

岩﨑さんの文章はとても実直で、かつ哲学があり、読んでいるうちに華美さのあるカタカナ単語の「ライフスタイル」よりは、畳の部屋で正座をし玄米ご飯とお味噌にほっこりするような「暮らし」がぴったりな印象だ。読んでいると心が落ち着き、自分が軸としたい生き方とは?を考えさせられるほど、一語一語に滋味がある。

 

本書は岩﨑さんの暮らしを紹介しており、お店のことだけではなくキッチンや日々の食、ファッションや収納などにも触れられている。なんだろう、遊びはあるのにチャラさが全くない。calmとかstillなイメージで、でもそこにはしっかり岩﨑さんがおられて、生活感がある。ああ、これがまさに「暮らし」なんだなー。

 



ほら、温かみがあるでしょう?いろいろな本を読み、「ああ、ステキだな」「こんな風に暮らしたいな」と思えることがなんとも幸せ。

 

本書を通して読んでいくと、昭和の香りが少しある。わかった。こちらに通ずるものがあるのかも。

 

 

しかし本書は思いっきり和をせめる暮らしではなく、昨今著者が気に入っておられる北欧の雑貨の話がある。ノルウェースウェーデンフィンランド、オランダ、デンマークあたりの北欧雑貨についてはいろいろなところで取り扱われているが、著者はバルト三国に注目しておられる。フィンランドからフェリーで数時間で行けてしまうらしいし、確かに雑貨の書籍などもいくつか読んだ。

 

篭やリネンの写真がいくつか掲載されているのだが、やはりセンスのある方の見る目というのはこうも違うのだろうか。一見普通のかごなのだが、よくよく見ると模様がそれぞれ異なり、色合いもほんのり温度感が伝わりそうな作り手の想いが届きそうなものばかりだ。

 

 

ああ、やっぱり巣巣、行ってみたいな。もう一度旅行サイト見てみよう。