Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#491 美文字の最高峰です ~ 「ふだんの美文字」

『ふだんの美文字』りさ 著

美しい字が書けますように。

 

この間のこと、手帳に書いたメモがどうにも解読できず、かなり焦った。急いでメモをとった電話番号だったのだが、シンプルな数字ですら読めないとは…。汚文字の威力たるや相当すぎる。アルファベットも判別しにくい時があるほどで、文字だけではなく絵も相当ひどい。むしろ絵を描く能力がないから字が汚いのかもしれない。

 

絵を学ぶよりは字が先だと常々考えていた時、たまたま書店で本書を見かけた。表紙の写真に添えられているメモ書きや手紙の文字があまりにも美しくて思わず手に取った。もうずっと見ていたくなるような美しさに練習用に並ぶ漢字の一つ一つを見入ってしまうほどだった。

 

未読本を読み終えるまで新しく本は買わない!と決めた時、最後に購入したのがこの本だ。上のリンクには「PDFダウンロード付き」と書いてあるが、私は書店で書籍版を購入したので巻末に「ふだんの美文字練習帳」というのが付いていた。コピーして使えるけれど、PDFの方が楽に印刷できるのでそのうちKindle版が格安になったら購入したいと思う。

 

本書は巻頭に「この本は大人向けに、書きやすさやバランスのよさを優先して書いているので、教科書通りの厳密な、払う、はねる、とは違っているところがあります。学校で百点を取るためのお手本ではないことをご了承下さい。」とある。たしかに書道のお手本とは異なるのかもしれない。でも著者の文字は心がふと温かくなるような愛嬌のある美しさがあり、この字体の手紙が届いたら相当嬉しいと思う。それに書も素晴らしいが、自分が書けるようになるのなら著者のようなふだんの美文字を切に求める。

 

本書をお手本に練習をすればいつかは美しい文字が書けるのだろうか。練習したい気持ちが高まり購入し、暇さえあれば本書を開き、指でなぞってみたりマス目のあるノートにひらがなの練習をしたりしている。

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この様に一つ一つに丁寧な説明がついていて、どこにポイントを置いて練習すべきかがわかる。やってみて思うことは「きれいな字が書けるようになりたい」という気持ちがもちろん第一だが、特徴をつかんだら体で(というか手で)覚えるのが一番のようだ。知らず知らず、私の文字も解読できるようになっているから不思議だ。

私は手書きで家計簿を書いているが、0と6の区別がつかなかったり、数字が並んでいる様子があまりにも統一感がなく字が汚い人の典型のような状態になっていた。まずはこれからどうにかしようと気を付けるようになって、少しはキレイになっている気がしてきた。

 

ペンにこだわればもっと違うのだろうが、手元にあるものを使っているので劇的に美しくなった!という満足感はまだないが、会社で鉛筆でメモ書きしている時にふと「お、これ上手くいってる」など自己満足な瞬間がたまーに、ある。

 

字が美しい人は生活も整っており、心も落ち着いているような印象を与える。デキる人感もものすごいが、「整っている」という様子に憧れる。暇を見つけては「整」の字を練習しているところがだ、理想の文字だと思える一冊に巡り合えたことでここまでモチベが上がるとは思わなかった。ペン字の練習本や美文字の指導本など、書店には数種類の関連書籍があったが著者の文字ほど心に残るものは無く、「こんな字が書けるようになりたい!」ではなく、「こんな風になりたい!!」という憧れを文字に抱くほどにインパクトのある一冊。今では著者のSNSもフォローし、動画を見ながら練習するほどだ。

 

いつかは走り書きのメモ書きまでもが美しい文字となるように日々練習。