Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#419 どう考えてもおいしいに違いない!~「フランス人が好きな3種の軽い煮込み」

『フランス人が好きな3種の軽い煮込み』上田淳子 著

これは絶対においしい。

 

Black Fridayの頃、きっとものすごくストレスが溜まっていたと思うのです。このところ毎日のように宅配の荷物が届くのは1週間前に買ったあれこれが届いているからで、今紙の本の山がものすごいことに。

 

未読の本はバスケットに入れている。そもそもすでにバスケットから溢れていたところへ追加が来たので切実なスペース不足と戦っております。長い間読み返していない本やしっかり味わい尽くした本を処分するタイミングだなーと思っていたらもうすでに11月も終わりだなんて。愕然。

 

本の山で一番高く積まれている料理本から読んでいくことにした。ところでレシピ本には「使える」と「使えない」がある。100ページくらいの本の中に参考にして料理したくなる要素がゼロのものは「使えない」、困った時に必ず頼りたくなるものは「使える」になると思うのだけれど、この頃上田淳子さんのレシピ本は100%「使える」で、今まで買った野菜、蒸し料理、粉料理のレシピは実際に何度も作っているし、この夏ちょっと色鮮やかで珍しいものを作りたいなー、あんまり手がかからないオシャレな料理が食べたいなー、ワンプレートをきれいに作りたいなーという要求に確実に答えてくれるのは上田さんのレシピ本だった。それからフランス映画を見て女優さんに憧れる気持ちをこじらせてすっかりパリジェンヌ気分な時、まずは上田さんの本をチェックしている。

 

本書は煮込みのレシピで、本書にもあるけれど日本式のぐつぐつ煮込むものではなく、フランス式はさっと10分くらいでできちゃうもので、むしろ「煮えばな」がおいしいのだとか。確かに肉のうまみがスープにすっかり溶け込んでしまっては肉のおいしさが半減するというもの。だからタイトルは「軽い」煮込みになっている。

 

まず、「軽い」煮込みは3種類ある。さっと焼き付けて軽く煮るのが「ソテー」、肉や魚介をクリームで煮るのが「フリカッセ」、そして素材のうま味を活かした「スープ」にわかれる。表紙は「手羽先とプチオニオンの白ワイン煮」で、見るからにおいしそう。これが作りたくて本書を購入した。

 

そもそもフレンチというのは日本においては難しい料理と捉えられがちな気がする。まずご家庭で簡単に作るなんてフレンチトーストくらいで、ちゃんとしたものを食べたければ専門のレストランへ行かなくちゃならない。たいていレストランは高額でイタリアンほどの気軽さはなく、ワイン選んだり、メニューがフランス語だったりと注文すらハードルが高い。でも考えてみればフランスの人でも毎日有名レストランみたいな食生活をしている人はほんの一握りだろうし、フランス人だって会社だの子育てだの勉強だのと忙しいはず。だから毎日のお料理が複雑であるはずがない!と、思うに至った。上田さんも同じようなことをおしゃっており、家庭で作るシンプルな料理を紹介されているのだと思う。

 

時短でもしっかりボリュームがあり、ちゃんとしたディナーにもぴったり。日本でだって作れるおいしくて手軽なフレンチ!という思いが文章からもひしひしと伝わってくる。

 

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こんなの出てきたら、ものすごく手がかかりそうに見えるのだけれど、実際には野菜の下準備(切ったり、塩漬けしたり)して、お肉に小麦粉はたいて焼いてから一度出して、同じ鍋で野菜に火を通してからワインで煮込んで、さっきの肉をもう一度入れて水を少し足して煮る!たったこれだけ。しかもフライパン一つでできるからすごい。豚肉がものすごく豪華に見えるし、これなら自宅でも簡単に楽しめる。

 

ところで、上田さんも書いておられるのだが、ソテーといえば「焼く」だと思っていた。でもフランスでは正確には煮込みと聞いて驚いた。

 

そして野菜がたくさん使われていることも魅力的で、これ一つ作っておけばメインディッシュとしてなりたつし、栄養バランスもよさそう。そしてなによりも見た目に満足感がありそうなところがすごい。お気に入りの器によそえば、より豪華。そうだ。キッシュも作ろう!

 

次の週末はこの本からレンズ豆とベーコンのスープを作りたいと思っている。きのこ系のものも食べたいなあ。ところで上田さんはStaub派のようでそこもまた嬉しくて、ますます鍋が欲しくなってしまうので要注意。蒸し料理レシピが夏場大活躍だったので冬はこの本のレシピを作り続けるぞ。