Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#418 そろそろ煮豆もいいですね~「きよのお江戸料理日記2」

『きよのお江戸日記 2』秋川滝美 著

千川のもう一人の息子登場。

 

都内、この週末は日向にいれば温かいけれど、ぐっと気温が下がって冬到来という感じだった。日曜日、ついに暖房使っちゃいましたよ。ところで、海外の方に暖房にエアコンを使うというと怪訝な顔をされる。海外だと暖房はヒーター、エアコンはクーラー機能しかないので、日本のように一つの機械に2つの機能と言うのは珍しいようだ。

 

さて、この前読んだ本の続き。現在2巻まで出ているけれど、まだまだ続きそう。

 

 

ストーリーとは全く関係ないことですが「それはわしのじゃ」と書かれていたら、ほぼ間違いなくおじいさんが話しているシーンを想像すると思う。キーワードは一人称の「わし」と語尾の「じゃ」で、調べてみると「老人語」とあった。

 

老人語 - Wikipedia

 

唐突に老人語に触れたのは、登場人物の口調で一つ気になったことがあったから。

 

きよは「千川」で料理人として働いている。きよの座禅豆が気に入ったという与力の上田の一言で裏方ではなく料理人として表に出て働くことになる。きよの弟清五郎も姉を支えて地に足の着いた働き方を身に着けているところ。上方出身のきよのアイデアのおかげで、千川には人気メニューが次々と登場する。

 

今回は千川の板長の弟で、上方に修行に行っていた彦之助が千川に戻ってくるというエピソードの他、ちょっとしたゴタゴタも起きて1巻よりはハラハラな内容だった。きよ自身も体調を崩すシーンがあって、時代小説好きなら「ああ、白米だな」とピンとくるところもあったり。

 

さて、老人語の話です。与力の上田は母と息子二人と暮らしている。妻とは死別で、母はまだ元気で足腰もしっかりしているし、二人の息子もまだ成人しているようではないので、上田の年齢は恐らく30代後半ではないかと思う。それで老人語は早くないかな?

 

1巻では普通の武士の言葉で話しているのだけれど、2巻で唐突に語尾が「じゃ」になった。それもエピソードの一部だけで、老医師が登場するエピソードの部分のみ「じゃ」と言っている。今まで読んできた時代小説で武士が「じゃ」と話している作品があったかな?ちょっと違和感があるような気がしてしまい、時代小説よりラノベを読んでいる気分に切り替えて読んでいたけれど、ガチの時代小説ファンはものすごーく気になってしまう点が多いかも、と思ってしまう。

 

「居酒屋ぼったくり」から本書を読み始めたファンはたくさんいると思うし、私もそんな一人で料理の描写を楽しみに待っている。備忘録として2作の私なりの比較を言えば、今のところぼったくりの方が料理のエピソードは多い。江戸に食べられていたものがテーマになるので既存の和食が登場する本作は、ちょっぴり想像が付きやすいかも。一方ぼったくりは創作料理が魅力で日本酒などの知識も豊富。「千川」の料理は現代の和食のイメージを超えないし、時代背景を加味した上での「すごいアイデア!」である点に気が付くことを楽しみじゃない限りはぼったくりよりつまらないと感じてしまうかも。

 

そろそろ寒くなってきたから煮物を作ろうかな。座禅豆より黒豆食べたいかも。