Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#363 映像の中の「日常」がステキすぎてエッセイも読みたくなりました~「聡乃学習」

『聡乃学習』小林聡美 著

大好きな女優さんのエッセイ。

 

週末、久々に目覚ましをセットせずに過ごしてみた。というより、時間を追求しないように暮らす感じだろうか。そもそも夜更かしが苦手、早起きが得意体質なので、どちらかというと早寝早起のライフスタイルが続いている。特に在宅勤務になってからは移動時間が不要となるので思いっきり寝るのが早い。長年身についてしまっているせいか、目覚ましがなくても日の出前には目が覚めてしまい、お湯を沸かしてお茶を入れ、いつものドラマを見た。

 



「パンとスープとネコ日和」は朝見るに限る。なんとも言えないゆったりした時間にキッチンから雑貨までステキと思えるものを見るのはとても楽しい。小林聡美さんは昔から好きな女優さんで、ちょっとコミカルなところがものすごく愛らしくてこんな大人になりたい!と思っていた。「かもめ食堂」あたりからインテリアからファッション、キッチン、雑貨まで、もう全部がステキ!と思う作品の真ん中にいつも聡美さんが鎮座しておられ、より一層目が離せなくなった。地に足のついた、自分のライフスタイルや暮らしを実現している姿に憧れている人、きっと多いだろうな。

 

ということで、本書を買ったまましばらく読んでいなかったことに気が付き、ドラマを見た後に読み始めた。この作品は2014年から雑誌に掲載されていたエッセイをまとめたものらしく、巻末には2019年の発売時点での小林さんの編集後記ものせられている。

 

雑誌やネットで聡美さんのお名前を発見したら必ずチェックする日々を長く長く送ってきているので、エッセイを読みながら懐かしさすら感じつつ、好きな作品のことを思い出した。すっかり忘れていたけれどセミロング手前くらい髪を伸ばしておられたことあったなあ!とか、舞台そうそうありましたよねえ、など独り言を言いながら読んでいたのだけれど、やっぱり日頃日本の芸能事情に疎いせいもあり、知らない作品もちらほら。

 

児童文学の翻訳で知られる石井桃子さんの作品を映画化したこと、まったく知らずにいた。50代となり、自然の中での生活に憧れる聡美さん、ご自身でも試してみたりなどもあったそうなのだけれど、やはり一筋縄ではいかない。石井桃子さんは戦後女友達と二人でそんな生活を続けてみたらしい。その時の経験から書かれた作品が「山のトムさん」で、その映画化された作品に聡美さんが登場しておられるそうだ。

 

日々の聡美さんの生活は猫と一緒にゆったりお過ごしのようで、それでもお仕事が絶えないはずだから、あれこれお忙しくされていることと思う。猫ちゃんたちとの生活の他、ご家族のこと、そして時折感じる元だんな様の影、プライベートについてさらりと書かれているところも聡美さんらしいなあと感じてしまう。

 

本書は50代になられたということで、聡美さん流の健康に留意されているエピソードがある。体操したりヨガしたり、文章で読んでいるだけなのになんとなく目に浮かぶのが不思議だけれど、考えてみたら週に1度は聡美さんの作品を見てたりするので(料理する時とか掃除する時とか、なんとなく流してます)映画のワンシーンのように妄想できてしまうのかもしれない。これからどんな風にお仕事を選択し、生活を整えていくのかなどにも触れられているのだけれど、きっと聡美さんはずっと女優さんとしてカメラの前に立ち続けつつ、心をリセットするための日常でもっともっと磨きをかけていかれるのだろうと思う。一人で山に行ったり、散歩したりというエピソードを読むと、もしかするともっとひっそりしておられて、すっとその場の雰囲気に溶け込んでおられるのかも、とも思う。

 

聡美さんやもたいまさこさんのファッション、誰にでも似合うわけではないのかもしれないけれど、いつか取り入れてみたいと思っている。色使い、フォルム、バランスが良く、清潔感もあって人当たりの良い印象がある。パステルカラーが苦手な私にもこの組み合わせならイケるかな?と思わせる。エッセイの中に、ファッションについてのお話があったらもっと嬉しい!と思う人多いだろうな。