Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#364 視覚で英文法を理解する~『THE DUO

『THE DUO 英語X論理的思考力』鈴木陽一 著

論理的に理解を得る英文法参考書。

 

 

もともととの予定では緊急事態宣言は13日より解除になる予定で、それに合わせていくつか仕事のスケジュールを組んでいたこともあり、今週はなんとなくバタバタしている。急なキャンセルや、急なオンライン会議への変更などなど、今月末の解除までもう少しの辛抱。

 

さて、この頃ずっとドラマを見ており、内容によっては字幕に頼らずとも理解できている。ところが、英語で話せとなると、一瞬ためらい、息をのみ、覚悟を決めてあやふやに話し出す。一度話し始めて少し頭と舌が追い付いてくればしめたもの。ところがその状態になるまで日を追うごとに時間が掛かるようになってきた。

 

本は今、カゴにいっぱい山となって積まれており、もちろんその中には英語関連の本もある。一番小さく手軽に見えたものを手に取ったらそれが本書だった。DUOといえば、文章を暗記するタイプのこれがある。

 

DUO 3.0

DUO 3.0

Amazon

 

受験コーナーに山積みになっているので私も購入したのだけれど、淡々と文章を暗記するという作業に慣れず、早々に本棚の奥へ放ってしまった。それなのになぜ、本書を購入したのかというと、「論理的思考」という内容が気になったからだ。

 

実際に読んでみてわかったことは、日本語と英語の差異に注目し「なぜ」を説明してくれる本は多くあるが、本書はそれを視覚的に上手に説明してくれているので非常にわかりやすく、実践しやすいということだ。

 

最近読んだ本の中では「鬼100則」がとにかくわかりやすく、英語を学ぶことが楽しくなるほどすっきり明快な内容だった。受験のように長文を解いたり、文章を書いたりするにはこの本の知識がとてもとても役に立つ。説明文がすっと頭に入ってくるし、なるほど!と思えることばかりで、読めば読むほど知識がだるま式に膨らむような気持になる。洋書読みたい!な気分になる本気でモチベを上げにかかってくる参考書である。

 


一方での本書、説明文は控えめだ。その代わり視覚で訴えかけてくるので記憶にのこる。文字から知識を植えるというより、言葉ではなく体験や体感でぐぐっと脳に知識として刷り込んでいく感じなんだけれど、読んでいる本人はなんの苦労もなくすっと情報を受け止めている。ただ、記憶するには「なるほど!」「そうか!」などの驚きや感動があったほうが記憶に残りやすいとは思う。

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上の写真はAmazonからお借りしてきたものだが、上に「普通形」とある。これは著者が考えた言葉で、時制を説明するにあたり「現在形」という言葉を当てはめるのは適当ではない、という考えの元「普通」という単語を採用している。日本語の現在-過去-未来というのは今まで私たちが学校で学んできた文法用語には確かにすっぽり当てはめられないものもある。

 

この絵がものすごくわかりやすい。そして頭に残るし、英語を母語とする人がどのように考えているのかを知ることで難しいことを考えずとも話せてしまう気持ちにさせる。

 

特に「語順」は、英語を学ぶ上での軸になるわけだが、日本語のように主部と述部、補語や目的語の順番を入れ替えても意味に大差ない言語に慣れていると、順番ががちがちに固められている言語のほうが決まり事が多すぎてわかりにくいよー!と弱音を上げたくなりがち。しかし、Mindという単語の真の意味を理解すると、そのがちがちの語順主義もすんなり理解が出来、「なんだ、そんな簡単だったのか!」と英語への距離感がぐっと近づく。たくさんの参考書を読んできたわけではないけれど、今まで読んだ書籍ではなかなか得ることのできない経験のように思う。

 

もし、来週英語でプレゼンしなくちゃいけないんだというならば、私はまずこの本に目を通し、次に暇を見つけては単語を覚え、常時英語を聞きつつたまにはシャドーイングしたりして準備するかもしれない。本書はもちろん受験などにも使えるけれど、受験用としてはちょっと足りない気もする。それよりは、ある程度英語の知識がある大人が、実践の場に出ていく前の虎の巻的な使い方をする方が効果的のように感じた。

 

鬼100則が読み書き用ならば、本書は会話用で、両者ともにすごくすごく使える本。