Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#298 ほんとお土産ってかなり悩みますよね

 『続 デザイナー渋井直人の休日』渋谷直角 著

デザイナー渋井さんの日々、続編。

 

 セール期間中に購入してあったもので、こちらは続編。ところで、この作品はドラマ化されていたということを今になって知った。

 



渋井さん役は光石研さんが演じておられるようだ。マンガの感じだともう少し小柄でもう少し白髪多めを想像していたのだけれど、ちょっとだけ見てみるとおしゃれな感じで若い世代からも親近感を持って接されるにはピッタリなキャスティングだと思った。

 

今回面白かったのは、事務所に二人新しくアシスタントが入るのだが、その二人が他のデザイナー事務所でも札付きのいわく者として有名な人物が登場したこと。一人は渋井さんより年上で日本のデザイン市場を牽引してきたような重鎮なのだが、時代の波とは残酷で彼は全くパソコンでの作業ができない。昔ながらに手を動かすタイプの働き方なため、他の事務所でも犬猿されていた。もう一人は20代の女の子なのだが、どういうわけだが手癖が悪く、知らないうちに事務所のものを自分のカバンに入れてしまうような子だ。でもそこは渋井さんで、二人の良いところをぐんと引き出してチームを作っていく。

 

こういう上司がいたらいいなあ、と思う程に見守る力に長けている渋井さん。ご本人は強く言えないんだ!とおっしゃるけれど、他の事務所が全て匙を投げた悪い意味での有名人がこの事務所ではしっかり戦力となるほどに育ったのはすごい事だと思う。

 

さて、今回のお話の中で共感できたことはこれ。

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渋井さん、SNSで連絡をもらった北海道の子のためにひと肌脱いだ。そのお礼として北海道からお魚やら野菜やらが届くのだけれど、これがまたどれもすごくすごく美味しい。お返しをしようとあれこれ悩んでいるところである。

 

そう、東京のお土産って意外と難しいですよね、と思わず渋井さんに声を掛けたくなってしまった。私の場合、海外に持っていく時の定番は「東京ばなな」で、あれはなぜかどの国に持って行っても喜ばれるしリクエストもされるので大変便利。だいたいは「みなさんでどうぞ」的な事務所メンバー用として使うことが多い。あと北海道の「白い恋人」もものすごく好評で、ヨーロッパの人には①個装、②薄いラングドシャ、③間に挟まれるチョコ感、④繊細な食感に「こんなおいしいクッキー生まれて初めてだ」と後から言われること多しなのでおススメです。私レベルだととっても偉い方や会社の運命を担うような大物にお会いできることはほぼ皆無なのだけれど、お会いして下さる方にはやっぱり「貴重な時間をありがとう!」な気持ちを込めたいので素敵デザインのものを選ぶようにしている。

 

何の役にも立たないけれど、私がポイントとしているのは缶に入ったものを選ぶこと。スーツケースやカバンの中でも型崩れしないし、日本の缶はしっかりしているので中身以上に喜ばれたことがあってそれ以降割とよく持参する。クッキーなどは大変かわいい缶に入っていることが多いのでよく使う。宗教的理由など食べ物が難しい時は日本製の化粧品を持参することも。クッキーで思い出したけれど、ヨックモックのシガールの喜ばれ様も半端ないです。こちらもおススメ。

 

渋井さん、の出した結論はこちら。はい、わかります・・・

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結局渋井さん、エルメスの高級品を送ろうとしてみたり、北海道に勝てるのはパリだ!と斜め上に走ったりしていたが、スタッフに止められ「そのお金を出せるなら実際に会いに行ってきては?」とのアドバイスに従うことで解決。

 

話は戻る。海外は東京バナナで大喝采を受けるのだけれど、国内がこれまた困る。特に九州と北海道は本当に困る!!!悩みに悩んで北海道行きでよく利用するのが、黒船のカステラとクッキー。

 


本店は自由が丘にあり、銀座あたりだと松屋銀座に店舗があるのとANAを利用する時は空港でも購入できるので便利。このショップは今のところ北海道には無いということと、なぜか北海道にはカステラを出す地元のショップが少ないらしく「ほぼケーキなんだよね」とそれはそれで羨ましい事情があるらしく割と喜ばれている。

 

ただ、このカステラ作戦、九州では全く効かない。だって本場長崎があるのだから!九州はどの県に行っても必ずハイレベルの特産品があって、帰りはスーツケースがいつもパンパンになる。それこそカステラとか種類多すぎて選べないし和菓子も洋菓子も一つ食べたらもう一つ、また一つといつまでも食べたくなる強烈な美味しさ。ほんと勝てるものが何ひとつ浮かばない・・・

 

そこで、この頃アドバイスを受けまして「おかき」を持っていくようになった。おかきこを新潟とかお米の生産地にはおいしいお店がたくさんあるのだけれど、麻布や銀座あたりの老舗のものを持っていくことで落ち着いている。あとはそれこそ渋井さんと同じでパリ発のお店のチョコレートとかは冬場にたまーに持っていく。

 

お土産って選んでいる時が楽しかったりもする。何を贈ったら喜んでもらえるかな?と相手の顔を想像しながらあれこれ選ぶ時間も至福。