Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#297 ダイナミックな歴史ドラマを読んでいるような気分になるラノベ

 『薬屋のひとりごと 11』日向夏 著

戌西州での蝗害、どう解決となるか。

 

このところ楽しみにしている作品。ラノベを読むきっかけになった作品ともいえる。ラノベの魅力は作品が販売されるタイミングが早い事で、数か月で新作が出るのでワクワクしながら次を待っているところだ。

 


この作品は頭の中で中華圏を想像しながら読むことが多い。登場人物の名前や地名、そして挿絵の様子が大陸を思わせる。主人公の猫猫(まおまお)は、薬師でありながら今は医療の勉強をしている。猫猫は実父の叔父に預けられ、叔父を父親として育てられた。実父は羅漢という軍師で王宮で大きな役割を担っている。めっぽう将棋や囲碁に強く、一方で酒に弱い。父親は羅漢の父親の弟で、元は王宮で医官として勤めていた。よって自然と猫猫も医学の知識を身に着けていく。

 

実父の羅漢は人の顔を分別することができない変わり者で、唯一判別できるのは叔父と猫猫のみである。他は全て将棋の駒のように見えているらしい。猫猫は壬氏、もしくは月の君という美しい弟宮に頼られる存在となり、政に対する知識はなくとも陰から壬氏を支えている。

 

時代設定、舞台、登場人物のキャラクターが全てとにかくあっと驚くばかりで夢中で読んでしまう。今、11巻まで販売されているが、9巻あたりから荔の国をバッタが脅かしている。バッタの害は恐ろしく、穀物を食い尽くすのみならず、人の服や家までも食い散らす。猫猫は今、壬氏や羅漢とともに戌西州での蝗害の対応をしている。それだけでも大変なことではあるが、裏では政に係わる別の難が降りかかる。

 

羅漢は実兄の次男を後継ぎとして養子としており、名を羅半という。羅半の実家は農家を営んでおり、サツマイモなどを作っているらしい。羅半には兄がいるのだが、その兄が農業面でのアドバイザーとしてともに戌西州入りしているのだが、そのキャラクターがとても面白い。あとは壬氏に仕える馬一族もかなり強烈だ。嫁の雀さんが大活躍中で良くも悪くも雀さんが出てくると話が盛り上がる。

 

それにしても壮大なストーリーで映画化できそうなほどの楽しさだ。早く12巻が読みたいなと今から楽しみでならない。