Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#208 ミステリーvsコメディー? 私はコメディーに一票です

 『月館の殺人 上下』佐々木倫子 絵、綾辻行人 原作

月館行きの電車に何が起きるのか。

月館の殺人 上

月館の殺人 上

 

 

新しいパソコンで気をよくしているせいか、もう少しマンガを読みたくなったのでこちらを購入。今は15インチのラップトップを使っているが、次の引っ越し先ではデスクトップを購入したいなあと思っているところ。ますますマンガや写真や表の多い書籍などはパソコンを使っての読書に移行する予感がある。

 

さて、先週あたりからわけもなく鼻がムズムズ、目がチクチク。もしやついに花粉症になったのか?と散歩も控えひっそりと室内で暮らしていた。去年も1日だけの現象だったが風邪でもないのに鼻水が止まらない日があった。花粉症の自覚がなかったので「風邪ひいたかな?」程度に構えていたのだが、どうやら徐々に花粉の影響を受けていたのかもしれない。

 

そもそも日本に戻る前はそれほど空気のよいとも思えない場所に暮らしていたし、今はコロナの影響でマスクに対する違和感がないが、昔はマスクを奇異な目で見る人が多かったため、マスクを控えていたという事情がある。きっとPM2.5とか体に良くないものが何年も体内に蓄積されているところへ満を持しての花粉到来。この春はより気を付けたいと思っている。

 

さて、本来ならば本日からは在宅勤務が解除となり日常が戻ってくるはずだったのだが、政府の延長指示によりあと1か月ほど在宅が続くこととなった。とはいえ、前回にくらべそれほど街中の人が減っている感はない。ネットで事足りる場合もあるが、どうしても実際に出向かなくてはならない用事もあるし、業務上通勤しなくてはならない人もいる。思えば数週間の業務が堆積している可能性もあるので、一度会社に出て整理しなくてはと出勤する人も多いだろう。個人的には在宅でゆったり仕事をできるのはありがたい。好きな時間にお茶を飲んだり食事をしたり、だらだらと過ごすのではなくメリハリの利いた時間の過ごし方についても学べている気がする。

 

よって週末のマンガは格別だ。それもお気に入りのマンガ家さんのものだから尚良い。この作品は佐々木倫子さんの作品だが、ストーリーは綾辻行人さんの原作である。本当はミステリーのはずなのだが、佐々木さんの笑いのエスプリが所々盛り込まれている。きっとほかの作家さんが書けば、シリアスな本格ミステリーマンガになるだろう。

 

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こんな感じで佐々木さんらしさが登場。この作品はむしろコメディーの類だと思う。佐々木ファンからすれば、佐々木さんが原作ではないことからおもしろさが出し切れていないと思ってしまうのだが、綾辻さんファンにしてみたら原作の計画されつくしたミステリーに水を差していると思うかもしれない。

 

月館というのは実在する地名ではない。沖縄に暮らしていた空海は両親が他界し、これから一人で生きていかなくてはならないという状況にあった。そこへ突然北海道から弁護士という人が現れ、母方の祖父が健在であるということを知らされる。空海は祖父に会いに行こうと冬の北海道行きを決心する。

 

空海の母はなぜか電車を避けていた。なにがあっても乗らない。仮病を使ってでも乗らない。そして本人が乗らないだけでなく、空海にもそれを強いていた。

 

しかし祖父へ会いに行くには沖縄から北海道までの飛行機の他、電車での移動があるという。迷う空海。しかし唯一の肉親である祖父に会うため、母の信念である「電車に乗らない」という掟を破る。弁護士の「乗ってもいいのです」の一言に空海の北海道行きが決まった。

 

その電車がキーワードである。そして北海道に入ってからは電車と言えば怒られる。汽車なのだ。電気で動いていないのだから汽車。その汽車で起きるミステリーが主軸となっている。

 

読み手としては佐々木ファンの立ち位置で読んだ方が満足感が高いはずだ。笑うつもりで読むべきであり、むしろミステリーだということは忘れたほうがいい。どちらかというと吉本新喜劇に近い感じだと言えるだろう。真剣な場面でもお笑いに持っていくという力技がこの作品にもちりばめられている。そもそもタイトルに恐ろしい単語が入っているというのに、笑いに持っていくところが佐々木さんとのコラボによるプラスα(新喜劇化)だと思う。

 

英語の勉強を少しずつ始めているのだが、やっと1冊終える見通しがついてきたので今週はそんな当たりを備忘録として残していくつもり。