『おいしいベランダ 1』竹岡葉月 著
お隣さんはベランダで野菜を育てていた。
Kindle Unlimitedがせっかく格安プランをご提供下さったのでできる限り利用するように心がけている。バーゲン対象期間が終われば月990円の会費を払うことになるのだが、990円分は少なくとも読んでいきたいので今のうちに利用する習慣を付けなくては。
ということで、こちらもタイトルと表紙のイラストを見て気になっていた一冊。ベランダで野菜を育てているのだろうな、しかもお部屋の中にも結構な鉢植えがあるっぽいな、と想像して読んでみた。
主人公はこの春大学に進学したばかりの女子大生と脱サラしてフリーランスとなった元サラリーマン。場所は練馬で、とあるマンションの5階が舞台となっている。主人公のまもりは川崎の実家で家族とともに暮らしていたが、都内の大学への進学のタイミングで従姉が海外赴任となり、その家で一人暮らしをすることとなった。
実家を出るときに親からしっかりと食事を摂るようにとの注意を受け、毎日どうにか野菜を取ろうと心がけるまもりだが、実はかなりハードルが高かった。野菜はまるごと一つ買えば確かに安い。だが一人では食べきれない量となってしまうこともある。ある日コンビニに買い物に行った帰りにまもりはマンションのエントランスにある郵便受けのところで怪しい男に声を掛けられる。どうにか家まで逃げてくるがその男は5階まで追いかけて来て家の前で騒ぎ出した。ベランダに逃げたまもりだが、隣家の主人もベランダにいたようで助けを求める。
それがきっかけでまもりとお隣さんの行き来が始まるのだが、お隣に住む葉二はベランダで野菜を育てていた。理由は「時短」。野菜を買いに行く必要もなく、食べる分だけ育てれば良い。葉二はなかなかのイケメンで、まもりは心が動いていくー、というお話。
正直申し上げて「ベランダ」「ガーデニング」「野菜」「ハーブ」などの要素に惹かれて読み進めると肩透かしを食らう。園芸要素はあまり多くなく、一人暮らしの女子大生がお隣の少し年上のイケメンに恋をするという流れがメインとなっている。
そもそも、だ。野菜は必ずしも生食だけがすべてではない。作り置きすればいいのでは?と思ってしまう自分がいて、設定自体に無理を感じてしまう。でも一人暮らしを始めたばかりの女子大生であれば料理はそんなにしないものかもしれない。特に関心の無い人であれば、今はスーパーで出来あいのものを買った方が安いだろうし、簡単においしく食べられる。自分を振り返った時、確かにこの時期に料理を作っていたからこそ、今、抵抗なく料理をするようになったのかなとも思う。
ただ、1巻にはステビアの食べ方やいちじくの種類の話などもあり全くもって役に立たなかったというわけではない。しかしそのまま読み進めるかどうかというと、これはこの1冊で終えておこうかなと思っている。
手元にこの本があるので、次はこちらを読んでいこうかな。