Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#435 野菜の加工に瓶づめ!~「谷中びんづめカフェ竹善 1」

『谷中びんづめカフェ竹善 1』竹岡葉月 著

谷中にすむイギリス人のつくる瓶詰料理。

 

タイトルに惹かれて購入。瓶詰と言われて最初に頭に浮かぶのはジャムやコンポートの類で、お気に入りはいくつかあるけれど、コロナ禍以降なかなか買いに行けないでいる。

 

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そういえば、ここ数年「福袋」の購入に事前予約や、数量限定のものには事前抽選で購入スタイルが生まれたが、コロナ禍以降はそれが顕著になった気がする。私はどちらかというと三が日はお金を使わないという実家の教え(年始にお金を使うと、その一年は出費が嵩む一年になるらしい)があるせいか、あまり積極的に何が何でも福袋を買うぞ!という気持ちはなかった。が、食品関連の福袋があることを知って以降、急に食欲と物欲が増している。昔は本当に何が入っているかわからなかったけれど、今は中身がわかる上に自宅に届けてくれたりと至れり尽くせり。とはいえ、今はもう12月末。すでに目ぼしいブランドのオンライン販売は終了していて、1月の初売りに賭けるしかない状態。ああ、断捨離どこいった!!!

 

本書を読みながらなぜかずっと福袋のことを考えていたのは、キーワードの「瓶詰」のせいだと思う。この頃買いに行けずにいたショップでも福袋を販売することを知ったからだ。私はジャムならラズベリーとブラックカラント、コンポートならアプリコットルバーブが大好きで、いつも決まったショップで購入していた。それがコロナ禍で物が入ってこないなどの影響でどんどん足が遠退き、この頃ではパンすら食べる機会が減ってきた。ちょうど自分で作ろうかなーとうっすら考えていた時に本書に出会った。現時点では4巻までのシリーズとなっている。面白かったら続きも読もうとひとまず1巻だけ購入した。

 

瓶詰を作っているのはイギリス人のセドリックという青年で、谷中でカフェを開いている。義理の息子との二人住まいで、もともとのカフェは妻が開いたものだった。その妻も他界し、今では一人で店を切り盛りしている。

 

主人公の紬は谷中に住む学生で、実家は農家。紬を心配してか親は取り立ての野菜を送ってくるのだが、一人暮らしでは消費に限界がある。次々届く宅配便。目の前の新しい野菜とこの前届いた消費しきれていない野菜に苛立ち、紬は前に届いた野菜は処分してしまうことにした。ビニール袋に野菜を入れ、捨てに行こうとしたところで派手に転び、たまたま通りかかったセドリックに助けられたことから縁が始まる。

 

その日捨てようとしていたものは玉ねぎと人参で、セドリックは早速「保存食にしてしまえばいい」とアドバイスをし、店でジャムを作った。そう。野菜は生食以外にも冷凍できるものだってあるし、調理してから保存すれば良いものがたくさんある。瓶詰はもう少し賞味期限を延ばす工夫があり、一度作り方に慣れればいつでも作れる。私はあまり消毒の過程に自信がなかったりでせいぜい作っても果物ジャムを1瓶くらい。数週間で消費できるものしか作ってこなかった。

 

本書はセドリックが野菜や果物や肉類を加工する様子の他に登場人物の引き起こすストーリーもあったりで割と賑やかだ。谷根千あたりの下町風な昔を懐かしめるエリアに外国人の経営するカフェでは瓶詰専門という新しさ。おしゃれだしおいしそうだ。そもそも日本の瓶詰って海苔とか魚のフレークとかだったりするけれど、洋食だと種類が豊富で見た目も華やか。ラベル一つでとてもステキな贈り物にもなるので良いアイデアだと思う。瓶とか缶ってきれいなものは捨てられないし。

 

さて、その瓶詰だけれど、本書を読んでもやっぱり作ることはないかもなーと思ってしまった。理由はパテを作ってもそんなに積極的なパン中心生活をしているわけでもないし、冬はもう少し温かいものを食べたい。果物ならデザート作りなどで活躍しそうだけれど、ピクルス食べるより漬物食べたい気分。ただ、他にどんな瓶詰が出てくるのか楽しみではあるので、もしまたセールに上がってきたら続きを読んでみたいなと思う。

 

さて、ひとまず福袋をどうすべきか予算立てなくちゃ。