Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#062 お野菜との付き合い方は「感謝」から入るべきだと思う

『新・野菜の便利帳 健康編』名取貴光 監修 

野菜を接種して健康になるための野菜の食べ方を指南。

新・野菜の便利帳 健康編 (便利帳シリーズ)

新・野菜の便利帳 健康編 (便利帳シリーズ)

  • 発売日: 2016/03/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

こういうタイプの野菜本は初めてだ。かなりの数の野菜で「これでもか!」とそれぞれ野菜のすごい面を詳細に渡って学べる本はそう多くはないと思う。100グラムあたりの食品成分表は他の本でも読んだことはあるけれど、それが何に効果があるのかまで言及し、保存方法まで説明付きとは親切な本だ。しかも食べ合わせとして効果アップのコンビネーションまで、好きな野菜を食べるだけで体にもプラスになるメニュー作りも可能にしてくれる一冊だ。

 

野菜という言葉はすでに「健康」という衣を身に着けているような気がする。だから健康に気を遣う人たちは更に上を目指し、こぞって「オーガニック」と口にする。この本の中にコラムとして「有機野菜って、どんな野菜?」が掲載されている。

 

有機野菜の定義

有機野菜とは、農薬や化学肥料を使わずに育てた野菜のこと。日本では、JAS日本農林規格)によって、公的に有機農産物の認証が行われています。

有機野菜と認められるのは、野菜や米など一年生の作物の場合は種まき・植えつけ前の2年以上、果物など多年生の場合は収穫前の3年以上、禁止されている農薬や化学肥料を使っていない田畑で栽培されたもの。さらに、種や苗も有機栽培されたものを使用すること(条件つきで有機栽培されていないものの使用が認められることもある)。周辺で使われている農薬や化学肥料が入ってこないように管理すること、収穫後、有機農産物以外の作物と混ざらないようにすることなども求められます。

 

一度規定外の農薬を使ってしまったら、有機で栽培を計画する際、2~3年余りは「有機」は詠えず、ゆるゆると薬の効果が消えるのを待つしかない。人間の体もそうだけれど、一度強い薬を飲んでしまうとそれに慣れてしまって自然療法では物足りなくなってしまう。農業もきっと虫が出たり、病気が出たりを対応していたら利益の出る生産量に追い付かなくなるかもしれない。オーガニックの野菜は確実にマーケットの需要が見込めるので(推測だが)、うまく作れれば農家さんも稼げるのかもしれないけれど(再び推測だが)、それでも年から年中畑から離れることもできないだろうし、普通の野菜より手はかかるのに単価も数十円しか変わらないとなると、作る側のうまみは極小なのではないだろうか。だからハウスなどで野菜を育て、付加価値を与えるための対策があちこちで紹介されているのだろう。そんな中であえて消費者のニーズに応える有機栽培をなさる人は勇者に違いない。

 

そんなことを考えつつ、一つ一つの野菜がどのように作られ、何気なく食べていた野菜のおかげでいかに丈夫に過ご来られたかを思うと感謝の意が強くなる。大地に生かさせてもらっていることを忘れがちで、オーガニックだ!ビーガンだ!と表面的なことにばかり目を向けていると、いつか大切なことを失くしてしまうのではないだろうかと思う。「いただきます」を忘れず、育てて下さった方に感謝、料理を作って下さった方に感謝、恵んで下さった大地に感謝を忘れないこと。