Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#058 ハーブやスパイスってちょっと魔女っぽくてステキ

 『世界のハーブ&スパイス大事典』Jill Norman 著

283種のハーブとスパイスを紹介。味わい、使用部位、購入/保存、栽培方法とそれぞれの写真を美しく掲載。

世界のハーブ&スパイス大事典

世界のハーブ&スパイス大事典

 

 

スパイスといえば「やっぱりカレーだよね!」な気分になりつつあるが、カレー専門家の友人に言わせると「スパイスから作るカレーは美味しいよ!本当に美味しいんだけど、家の中のカレー臭は1週間は取れないという覚悟が必要!だから自宅でお手軽にっていうならば、ルーにお気に入りのスパイスで味を調整するのが良いと思う。」とのこと。それが家庭円満の秘訣だと教えられた。この友人、仕事柄カレーを試作することが多いのだが、家でカレーを作ると奥様に怒られるのだそうだ。ある日外出先から帰宅された奥様が駅から徒歩で自宅へ向かっていたところ、うっすらとカレーのおいしそうな香りが鼻腔をくすぐった。近所にカレー屋さんでもできたのかしら?と思いつつ歩を進めると、どんどんとその香りが強くなる。次の角を曲がれば我が家、というあたりで気が付いたらしい。どうやらこのニオイは彼女の自宅から発せられており、妻の留守を利用して夫がカレーを試作しているに違いなく、駅前近くまでに及んでいるこの香りの強さは相当量のカレーが煮込まれているであろうということに…。実際彼は大鍋に3つカレーを試作しており、カーテンから衣類までしばらく家中がカレー臭に包まれていたとのこと。その後、自宅でのカレー作りは禁止となり、試作する時はキッチンを借りたりしているとのことだ。

 

話はそれたがスパイス。レシピ本を見ていると、スパイスがたびたび登場する。スパイスが登場するレシピは魔法みたいなところがあって、どんな味になるんだろう!というワクワク感が半端ない。そしてスパイスの小瓶を買うときの満足感たるや、傍から見れば自分がスパイスを巧みに使うほど料理上手な人に見えてるかも!などと勘違いすらしてしまう。あの小瓶のサイズもまたかわいい上に、フランスやドイツのものは瓶のデザインまでもが愛らしい。とにかく、幸せ要素の高いスパイスをもっと上手に使いたいのである。

 

今、自宅で最も多く活躍しているスパイスはシナモンだと思う。これは完全にシナモントーストとか、チャイのせい。あと滅多に食べないけれどパンケーキを焼いた時とか、牛乳でフォームをたててカフェオレ作った時とかにも使っている。でも、それはなんとなくスイーツ的な軽いもので、もっとがっつりした料理にスパイスを使うにはどうすればいいのだろう。

 

さらにはハーブだ。これもたびたびレシピ本に登場する。ローリエとかタイムあたりはたまに使うけれど、これを入れたことでそんなに香りや味が違うのか?と微妙に思うことが多い。お茶として頂くもの、例えば今自宅にあるもので言えばリコリスとかフェンネルとかカモミールなどがあるけれど、ハーブもまた料理で使うとなるとハードルがぐっと上がる。

 

ということで、この本を購入。厚さ3センチくらいあるので相当重い。全368ページ。事典なので表紙も立派で紙質も良い。さっそく気張って読み始め、なじみのハーブが出てきてちょっと眉唾になった。

 

Perilla [Perilla frutescens]

シソ

香りのいいエゴマ(日本語名ではシソ)は、日本や韓国、ベトナムで広く愛用されています。ごく最近になって、オーストラリアやアメリカ、ヨーロッパの料理人も使うようになりました。ミントやバジルと同じ一年生植物で、中国原産です。乾燥した青じそは風味は強くありません。

 

24ページにあるこの文章。さて、違和感に同意頂ける方はいるだろうか。

 

紫蘇と荏胡麻、同じものと言えるだろうか。大きさから食感、味も全く異なる別物だと思う。ちなみに、荏胡麻は韓国ではケンニプといい、焼き肉屋さんでもよくでてくる。確かにハーブ系の香り高さもあり、サンチュと一緒に肉を包むと最高に美味しい。ところが、韓国の方が日本にいらした時、一緒に食事をしているとみなさん紫蘇をお食べにならない。パクチーや紫蘇は苦手という方が多いらしく、独特の香りがダメなんだそうだ。この例からも紫蘇と荏胡麻を一緒のものとは言えないだろう。

 

では、姿形を見てみよう。まずは我らが紫蘇。

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そして荏胡麻

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葉の形が荏胡麻の方が丸い。この写真では大きさの比較はし難いが、荏胡麻のほうが葉が大きいし、繊維が硬い。

 

この本の後半はスパイスの項目になっており、スターアニスとかナツメグのページにうっとりしてしまった。開いているうちにページの真ん中がぱっくり割れてしまい、買った早々とちょっぴり悲しくなったが、それぞれのハーブやスパイスの効能なんかも書き入れて、上手に日常で使う本に作り替えていきたいと思う。レシピも豊富なので一生使えそうな一冊。