Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#018 つい「私も!」と、まずは走ってミルクを買いに行きました

食べることが好きなので、おいしいごはんが出てくるお話も大好物。そんなおいしいもの小説を読むきっかけとなったのは、『それからはスープのことばかり考えて暮らした 』に出会ったのがきっかけでした。

 

その後吉田篤弘さんの本を読み始めています。今日はこちら。 

台所のラジオ (ハルキ文庫)

台所のラジオ (ハルキ文庫)

 

短編小説が12編収められています。それぞれがどこかでつながっているような仕掛けなのですが、一つ一つがなんともおしゃれなイメージです。登場人物もいろんな年代、男子女子、不思議な職業も出てきます。

 

やっぱり今回もごはんに関する何かが出てはくるのですが、ごはん自体が主体ではないので、私が求めるごはんが出てくる本としてはもう少しおいしさ多めでもいいかなーという印象が残ったことを付け加えておきます。読後ほっこり系です。

 

吉田さんの本を読んでいると自分が今欲しているわけではなかったのに「そうだ食べよう」という気になってくる。なんだかそれを食べることがとんでもない秘密を秘めていて、ものすごく洗練された行動のような、自分がちょっぴり特別な人になっちゃうような、そして食べるた後には自分がワンランクアップして「むふふ、これか」と満たされた気持ちになります。

 

『マリオ・コーヒー年代記』という短編を読んでいる時は、こうしちゃいられない!とスーパーに走りました。いつも飲んでいるデカフェのコーヒーを濃いめに入れ、慌てて買いに行ったちょっと濃いめのミルクを入れてコーヒー牛乳を作りました。

 

脱線しますがミルクです。私は低温殺菌牛乳が好きなのですが家の周りで手に入りにくい。よつ葉牛乳があれば必ず、ない時は特濃を買ってます。私はミルク自体をごくごく飲むことはなく(冷たい飲み物は水以外苦手です)料理か温かい飲み物に使うことが多いです。日本の牛乳はさらっとしているのでショコラショーやミルクティやカフェオレを作るとなんだか物足りないなーと思うことがあります。この特濃はわりといい。

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なんでしょうね。こう、しーんと静まり返った夜に読みたくなるんです、吉田さんの作品。今まで何冊か読んできた中でごはんのおいしさが控えめな作品もありましたが、この一冊は手元に残したいと思いました。できれば冬に読み返したい。

 

思えば私の家にはラジオが無い。災害時用に取っ手をぐるぐる回して電力をつくる懐中電灯にラジオがくっついてはいますが、手持ち無沙汰にラジオを聴くとか、ましてやお気に入りの番組を聴くなんていうこと今では全くなくなりました。ほぼテレビ。しかもテレビ番組を見ているのではなく、Amazon Primeだったり、Huluだったり、NetflixだったりからBBCあたりが制作したテレビシリーズを見るともなく流していることが多いです。

 

ただテレビを流しているだけなのに、音を消していたりするのに、テレビは当たり前ですがラジオとは違いますよね。視覚は情報をキャッチしやすいのかも。一方ラジオは集中して耳を傾け、その様子を想像したりと聴覚のみを頼りとする。そんな当たり前のことを思い出しました。そして台所っていうのがいい。「キッチン」じゃなくて「台所」。台所と聞いて想像するのは今時のアイランドキッチンみたいなものではなく、壁に向かって黙々とお皿を洗ったり、お料理をしたりする昔ながらのタイプです。

 

ちゃぶ台にラジオを置いてしっかりとラジオに対峙するのも乙ですが、私なら冷蔵庫の上にラジオをおいてお料理つくりながら聞きたいな。