Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#243 女子旅バックパッカー編

 『いつも旅のなか』角田光代 著

バックパックを背負って世界各地を旅する。

いつも旅のなか (角川文庫)

いつも旅のなか (角川文庫)

 

 

出勤生活が復活し長い長い在宅勤務が明けたばかりなのだけれど、先週1週間のほうが在宅勤務の時間より長く感じたのはなぜだろう。やっていることは変わらないのに「通勤」と「対面」という要素が加わる以外に何か目に見えないマイナス要素が存在しているのだろうか。一週間がそれはもう、ものすごく長かった。

 

ということで、週末に入るや否やストレス封じのための本を購入。そしていくつかセール時に買っておいた本も読み始める。

 

著者の作品はものすごく昔に一度小説を読んだような気がするのだけれど、残念なことにタイトルが思い出せない。今まで特に注目していた女流作家さんではないのだけれど、この一冊は表紙になんとも言えないアンニュイ感が漂っていて、まさに旅のどこかの場面を無意識に切り取ったような写真に惹かれ購入に至った。

 

著者に旅人のイメージはもとよりなく、しかも以前に雑誌か何かで見た著者が小柄で華奢なかわいいタイプの女性だと思っていたので、バックパックでどこでも行ってしまっていることにかなり驚いた。しかもローカルのバスも汽車もなんでも乗るし、屋台の食べ物もふつうに食べる。ホテルではなく数千円の民宿のようなところに泊まり、現地の人とお友達になって遊んでもらったり、想像していたお嬢様タイプどころか旅慣れた感がものすごかった。タイがお好きとのことで、タイを拠点にミャンマーやマレーシアに行ってしまう。スリランカでは地元の人に紛れて山に登るし、北イタリアでも雪山に挑み、キューバでは現地の方のお宅で御馳走になったり。

 

どの旅の話も楽しいのだけれど、いわゆるパックツアーでは絶対に行先としては選ばれないような、飛行機を乗り継いでもなかなかたどり着かないような奥地へも進入しているので初めて聞くようなエピソードが新鮮だった。なかなか旅行記には登場しないようなエピソードが出てくる度にまた著者の姿を想像して違和感を楽しんだり。事前にスケジュールを決めて移動手段とホテルはしっかり予約するような旅ではない。おそらく帰りの飛行機くらいは決めているはずだけれど、現地に到着してから帰るまではほぼフリー。宿も行き当たりばったりで、価格や雰囲気でさっと決める潔さ。

 

バックパッカーというのはみなさんこんな感じなんだろうか。一人で鞄を背負ってどこにでも行くし、旅に怖気づかない強さがあるように思える。私は気が小さいので安全第一を優先するので行程はしっかり事前に確保するし、前々から計画を立てるタイプな上に食べ物にもかなり気を遣う。衛生的ではない環境が苦手なのでアルコールスプレーだのウェットティッシュを山盛り持っていく。しかし著者は本当に身軽に世界を歩いている。こういう強さがなくてはきっと世界を見てきたなんて言えないだろうと思った。私の旅は旅とも言えないような表面をさらっと薄目を開けてのぞいてきただけのこと。バックパッカーこそが真の旅人とは言わないし、バックパッカーで一つでも多くの地域を回ってきたから、長く旅したからと言って旅が人生にもたらす糧が多いとは言えない。

 

著者が35歳くらいの時、ふと旅の途中で「楽しくない」と思う瞬間にぶち当たる。その時初めてバックパッカーという旅のスタイルが年齢に合わないと思い始めたとのことだった。たくさんの国を歩き、刺激を受け、いつもワクワクの旅行のはずが、ふと「つまんない」と急変する。ある程度の出来事には対応できるようになると、ふと「もういいかな」と卒業が訪れることがある。旅に限らず、好きな食べ物や音楽や映画をずっと見ていると、ある瞬間に体が「もうずいぶん取り込んだし、このあたりで次に行ってはどうですか?」的なメッセージを送ってくるのかもしれない。今、著者はどんな旅をしているのだろう。続けて他のエッセイも読みたくなった。

 

よく「自分を探す旅」などというフレーズを耳にするけれど、私のような旅の仕方では自分を探すどころか旅で余計に人生に迷ってしまうことだろう。ディープな心の奥深くに響くような旅をしてこそ、著者のようにその場の瞬間瞬間をちゃんと言葉で残せるように感じられてこそ、見知らぬ土地にいる自分を振り返ることができるのかもしれない。女性版の深夜特急のような一冊。

#242 できる限りの優しさを

 『Wonder』R.J. Palacio 著

 障害を持つ男の子が初めて学校に通うこととなった。

Wonder (English Edition)

Wonder (English Edition)

 

 

巷にはあれがよい、これがよいと英語を身に着けるためのいろいろな方法が取り上げられているが、自分に合った方法はなんだろう?と考えたとき、私には多読がもっともストレスなく楽しく進められることの一つであることに気が付いた。きっかけは学習指導を受けた時、あれこれ試させられた中で最後までストレスフリーだったのが英語での読書だったことにある。(そして一番嫌いなのは語彙習得!)

 

この頃また出勤が復活し、英語でのコミュニケーションの場が増えつつあることに危機感を覚え、早速英語での読書を再開した。今の段階で気を付けていることはたった一つで、身の丈にあったレベルの本をたくさん読もう!たったこれだけ。となると、ジュニアレベルの書籍を選ばなくてはいけない。

 

学習指導では、語彙数やレベルに沿った英文で書かれたラダーシリーズというものを読まされていた。語彙数が記されている必要があったのは、語彙数と読書時間をチェックしどのくらい早く英文を読め、解釈できるようになったかを測るためだったので、こういった学習用の多読教材は自分の力量を数値化するのには役立つだろう。

 

とはいえ、内容が面白くないと続かないので、他にもPearson English Readers(昔はPenguin Readersでした)あたりから面白そうなものを見繕ってと思っていた時、おすすめ本としてこの作品があがってきた。評価も高く、早速購入。

 

主人公のオーガストは生まれつき障害を持っていた。顔が他のみんなとは異なっており、小さな頃から何度も手術を重ね、今は小学生の年齢になったけれど母親から家で勉強を教わっている。

 

ここまで読んで、もしかして?と思った。そう、これ。

 


映画『ワンダー 君は太陽』特別映像《スペシャルフィーチャレット》6.15

 

アマプラのおススメに上がってきていたので何となく予測できた。そう、この映画の原作である。

 

Wonderは実話ではない。作者の体験から書かれたものである。オーガストは5年生になって初めて学校へ通うのだが、やはり容姿が異なることからなかなか溶け込めない。しかし素晴らしい教師陣、楽しい父親、優しい母親、愛すべき姉に囲まれながら、少しずつオーガストの未来が開けていく。

 

書籍は章ごとに語り手が変わる。オーガストの時もあれば、学校の友人、姉のオリヴィア、その他周りの人々が交互にオーガストの学校生活の1年を語っている。ふと涙する場面も多く、これが映画化となればきっと大きな感動を呼ぶだろうなと思われた。

 

オーガストの通う学校の先生の贈る言葉がまた美しく、最後に胸をうつ。

 

Kinder than is necessary.

 

先生の言葉もそうだけれど、両親の愛情の深さに何度も涙した。小説の中にも登場するのだが、親が離婚するなど心に傷を持つ子供が多い。その中でオーガストの両親は何よりも子供を愛する。文中ではdeformedという言葉でオーガストを表現する場面があるのだけれど、一般の小学生にはどうしてオーガストの容姿が他と違うのかがわからない。だから辛辣な言葉を吐く。でも両親はそんな言葉を跳ね返して余りあるほどの温かさでオーガストを支えていく。

 

次第にオーガストは学校にも溶け込み、その人柄に魅了される生徒が増えていく。5年生の1年間のお話なのだが、何度も何度も危機があり、変化があり、涙した。

 

人間は大人になってもいつまでも学び成長していくものだと思っている。ただ、その成長は自覚しにくいし、進んでいるのか後退しているのかも定かではない。心の成長という意味でオーガストや両親の成長から「優しさ」は大きな目安になると思った。人に優しくあること、それが一つでも多くできたら人間は成長できているんだろうなと思う。

 

心をピュアにしてくれる作品。映画もいつか見てみようと思う。

#241 子供の頃の読書の思い出

 『小さな男の子の旅』エーリヒ・ケストナー 著

短編が2つ収められた小さな本。

 

この頃児童文学を読んでいなかったなと思い、先週いくつかまとめて関連書籍を購入した。ケストナーの作品は小さな頃から読んでいた。父が譲り受けたとかいう昭和時代の少年少女文学全集のドイツ版に作品が収められていたのを覚えている。

 

全集はすべて持っているのだけれど、この作品は知らなかったので早速購入してみた。届いてまず「あれ、薄い」と思った。訳者のあとがきを含めても63ページと本当に薄い。絵本くらいの厚さだろうか。

 

収められている物語は2つで、「小さな男の子の旅」と「おかあさんがふたり」で、本当に短いけれど心に残るストーリーが収められている。今回の作品はもしかすると挿絵のないものだったのかもしれない。絵が全集でおなじみのヴァルター・トリアーではなく、日本でオリジナルに挿入したものになっている。(絵は堀川里万子さん)いつもの絵と違うというだけで、何か違うものを読んでいるような気がするのだけれど、やはり読了感はやはり「ああ、やっぱりケストナーはいいなあ」である。

 

ケストナーは戦時中に活躍した作家であることから、現実味のあるストーリーが多い。魔法だの妖精だのの陽のムードに着目した場面よりも何かもっと深刻なシチュエーションが背景にある陰の部分も併せ持っている。この2編の作品も深刻さの淵に立たされている子供が主人公になっている。

 

今の令和生まれの子供たちにはケストナーの作品はどのように見えるのだろうかとふと気になった。日本だけではなく、本国ドイツでももう昔の作品として古典入りしているのだろうか。たしかに電話が家にないような設定もあるので小学生ですら携帯を持っている今の世の中ではなかなか理解しえないことが多いだろう。兄弟が何人もいることだってないだろうし、親が正月を祝えないほどに困窮しているということも考えにくい。

 

とはいえ、やっぱりケストナーの作品は読み継がれて欲しいなと思う。この小作品のような短めのものがもっともっと手の届きやすいところにあればなと思わずにはいられない。ケストナーの作品を読むと、いつも実家で本を読んでいた時のことを思い出す。しばらく何年もの時を一気にさかのぼって子供時代に帰っていけるのが児童文学の良いところだろう。

 

それにしても、私はなぜケストナーの作品をすっと理解できたのだろうか今でも不思議に思う。素晴らしい挿絵が理解を助けたことも否めないけれど、なんとなく懐かしいような「わかる」とはっきり理解できる瞬間があった。思えば初めてヨーロッパに行った時、「ここ知ってるわ」みたいなデジャブ感があったけれど、読書でもそんな体験をしていたことをふと思い出し懐かしくなった。

#240 とにかく早く帰りたいからExcelをどうにかしようと決めました

 『Excel現場の教科書』長内孝平 著

YouTubeを使ってExcelを学べる。

 

業務の内容上それほど複雑な資料を作ることはないのだけれど、ちょっとした情報をまとめる時に「あれ、これどうだっけ?」となることがある。そういえば会社にExcelの達人的な人がいて、その人を講師に一度Excelレッスンを受けた。彼曰く、「私は特にExcelの勉強をしたわけでもないし、達人と言われるレベルではありません。ただ、社内でExcelを使いこなしていると思われているが故に今回講師を頼まれたわけですが、私がここまでExcelを業務に活かせるようになったのは、単に早く帰りたかったからです。それだけです。皆さんの課も同じだとは思うけれど、毎日あれこれ資料の提出を求められる環境をどうにか改善したくて時短を意識した結果、いつのまにかExcelを使いこなせるようになっていました。」

 

久々のオフィスでぐったりで、ふと「早く帰りたい」と思った時、Excelが出来ると時短につながるということを思い出した。!1分1秒でも早く会社から脱出したい。そうだ。Excelだ!ということで、書店によってこの本を購入した。

 

Excelの使い方を教える本はたくさんある。初歩からプロ級まで書店に行けば山ほどの書籍が並んでいる。その中でこの本を選んだのは、内容が難しすぎないこと、とはいえ新しい知識も得られること、そしてもちろんわかりやすいこと。いろいろな知識をこれでもか!というほど盛った本はたくさんあるし、そういった本を手元に置いておけばさっと調べられて良いのでは?と思ったのだが、結局「この技で何ができるのか」がわからなければ仕事で使いようがない。

 

私の目的は時短の実現なので、確実に本の知識を使いこなせなくてはならないので難しい本、盛り込みすぎている本を避けた結果、いくつかの本が残った。その中でこの本を選んだのはビジネスの現場に即した内容がありそうだったからだ。

 

この本はテキストだけではなく、むしろテキストよりもわかりやすい動画が素晴らしい。動画を見てからテキストをチェックするとより一層理解が早い。さらにはその課ごとのExcelの資料もダウンロードできるので実際に練習しながら学ぶことができる。

 

この動画が本当に秀逸。

 



一課ごとに5分程度の動画でさっと学ぶことができる。実際にどう動かすのかも学べるし、ショートカットの使い方なども丁寧に紹介してくれているのですぐに実践できそうなものばかりである。

 

著者は商社の経理部にお勤めだったことがあるとのことで、おそらくExcel作業でもたついていたら毎日何時間も残業しなくてはならないだろう。この本に合わせて練習をしていて思ったことだが、やはりショートカットをさくさく使えばかなりの時短になることがわかった。マウスで作業するよりも早い場合が多い。まずはショートカットをものにしなくてはと思った次第である。

 

著者は他にも動画でExcelの使い方を紹介しておられるので、他のものもチェックしたいと思う。2作目、早く出して頂きたいな。

#239 在宅勤務しているうちに英語力がふりだしに戻っていた⇒まずはこれから再出発

 『どんどん話すための瞬間英作文』森沢洋介 著

中学生レベルの英語を使って瞬間的に英語が口につくように練習しよう。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

  • 作者:森沢 洋介
  • 発売日: 2006/10/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

すっかり在宅勤務に慣れ親しんでしまっていたので対面のコミュニケーションがかなり疲れる。しっかり働いてこそのお給料なので、また一つ一つ学んでいかなくてはと思っている。

 

ということで、オフィスに戻り最初に「あああああ、ううううう」と詰まってしまったのが英語だった。メールに書くのと実際に話すのでは雲泥の差がある。書く場合には時間制限もないし、調べたりチェックしたりしながら作業ができる上に修正が可能だ。でも会話は発話した瞬間に取り返しがつかない。だから余計に慎重になるのだけれど、慎重になりすぎて言葉が出てこない。いったん波に乗れば思ったことを頭の中で組み立てずとも発話できるのだけれど、聞くのも話すのも精一杯。

 

まずい、これはまずい。

 

と言うことで、そういえばこんな本を持っていたなと引っ張り出してきた。これは昔とあるところで学習指導を受けていた時に与えられた本で、同時にアプリも購入してあった。

 

 

実はこの学習指導というのは今思い出しても「どうだろう?」と首をひねってしまうところがあるのだが、40万円で3か月間、目標に沿った英語の学習計画を共に立て、一人でちゃんと勉強できるように導いてくれるというサービスだった。テキストは会費に含まれているのか、インストラクターが必要と判断した書籍は都度無料で提供してくれた。(これも謎が残っている。私は4冊もらったけれど他の人は何冊もらっているのだろう?3冊と10冊では料金ずいぶん違うのでは?)入会時と退会時にバーサントというテストを受けるのだけれど、これも会費に含まれている。

 

とりあえず、私はこの本をもらい1度さらっとやってみた。内容は中学レベルのもので「これはペンですか?」「あれは犬ですか?」のようなレベルから始まり、時制や比較などの例文が各章に10文収められているものだ。独学で英語を勉強している人のブログなどを読むとかなり熱く推薦しておられる方も多いし書籍の評も高い。やってみるととっさにぱっと浮かんでこないものもある。日本語を聞いている間に彼なのか、彼女なのか、彼らなのか、忘れてしまうことも多々。

 

この本を実際に使ってみて思うことは、本よりアプリの方が使えるということだ。アプリは再生速度を変えることができるので、テンポよく学習できる。私のやり方はこうだ。日本語の音声⇒英訳を声に出していってみる⇒正解の英文音声が流れるのでチェック。こんな感じ。英会話のために練習するのならば、絶対に声に出した方が良いと思うのでアプリがあったほうがより役に立つと思う。いや、むしろこの本ならアプリだけでもよいかも。

 

ということで、夜からアプリで練習を始めた。もう少し英語の勉強にも力をいれなくてはと反省ばかり。オフィス生活も大変です。

#238 また毎朝メイクですよ

 『女の人生は朝10分のメイクで変わる』森本美紀 著

メイクと髪型、どうすべき?

 

緊急事態宣言が解除となり出勤が復活。このまま在宅勤務が続いてくれたら!と心の中で叫んでいる人、きっと多い事だろう。とはいえ、まだまだ油断も出来ない状況に変わりはないので気を付けなくてはならない。

 

この本はずいぶん前に買ってあった本なのだが、久々に身だしなみに気を使わなくてはならない状況が復活したので心を引き締めるために読んでみた。まあ、今はマスクをしなくてはならないので顔の半分が隠れてしまう。その上マスクで顔がかぶれたりということもあるのであまりゴテゴテ塗り固めようとは思わない。とはいえ、今までのリモート生活では如何様にもごまかしが利いていたけれど、実際に対面するわけなので相手に不快感を与えない程度には整えなくては。

 

ということで、結論から。この本で学べたことは2つ。一つは目の周りのメイクのポイント。メイクは全体的にVラインを意識すると良いらしい。下がってるより上がってる方が与えるイメージが溌剌として見える。眉毛も一文字ではなく、眉頭から眉尻までがV字になるように緩やかなカーブを意識すると良いらしい。

 

確かに眉毛は顔で一番大切といっても過言ではないかもしれない。江戸時代の公家の麿さまの眉毛は表情を悟られないようにするためのものだと聞いたことがある。ビックリすると眉が上がるし、嫌なことがあると眉間にしわが寄る。ということは、相手は眉毛で表情を読みとり、心理作戦に眉毛からにじみ出る心の声は禁物だ。つまり眉毛は心の鏡ともなる大切なパーツということになる。なのでちゃんとケアしなくちゃなあ。

 

そしてメイクの濃さについてもヒントが山盛りだった。そもそも下手だと厚くなる。本当は全部隠してしまいたいくらいなんだけれど、シミとかそばかすとかしわとか、カバーしたくなるところが山ほどあるとどんどんファンでが厚くなる。しかも隠れていないから困ったものだ。

 

経験から学んだことは厚化粧よりナチュラルメイクのほうがまだまし、ということである。時間が経つとメイクはどうしたって崩れてくる。というか、はがれる。いやもう目も当てられない。厚化粧の崩れっぷりよりナチュラルメイクのほうが崩れっぷりの方が手直しが利くのでなるべく薄目を心がけている。

 

薄目を実現するにはファンでの使い方を工夫しなければならない。化粧を初めて何年も経つというのに未だ手加減がわからずにいたのだけれど、この本を読んで少しだけ程度がわかってきた。ちょっとやってみたいと思ったのが、ハイライトの代わりにパール入りのパウダーを使うなどなど、限りなく軽めを目指したいと思う。

 

ところで、ナチュラルメイクとはメイクしてない風で自然な感じということだと認識している。自分の持っているものを全部長所として隠さない。例えば最近話題のこの方、結婚前はこんな感じのメイクで「ナチュラル」なメイクだと言われていた。

 

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 確かにほくろもそばかすもそのままに眉、まつエク、チーク、リップくらいでネイルも控えめだ。

 

それが移住直前、カナダから戻った時は「ハリウッド風」と評されたメイクで登場。

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 目の周りもしっかりとメイクが施されていて、この後とっても残念な写真を撮られてしまっているのだけれど、目の周りが真っ黒で眉間にしわを寄せ、上の笑顔とは同じ日の出来事とは思えない。

 

そして、昨今話題のインタビューではまたちょっと雰囲気が変わって見える。

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あえてセンター分けの写真をいくつか出してみたのだけれど、メイクってほんと人を変えるなあと思ってしまった。眉毛、目の周りのメイクの濃淡、あとアメリカ風のぽったりした唇はこれはリップだけの効果ではないと思うけれど、確かに雰囲気が違って見える。眉、細くなってる。

 

まあ、スポットライトを浴びるわけではない日本の一般人にはここまでくっきりはっきりなメイクは必要ないけれど、確かにメイクで人に与える印象は変えられるんだなということがわかったかも。人に不快感を与えず、清潔感のある身だしなみを心がけたい。

 

#237 化粧より、服より、一番大事なのは髪!

 『女は、髪と、生きていく』

どんな髪型にすれば自分を鼓舞し、自分の心を満たせるかがわかる本。

髪で幸せや成功を引き寄せるのだ!

女は、髪と、生きていく

女は、髪と、生きていく

  • 作者:佐藤 友美
  • 発売日: 2019/11/27
  • メディア: 単行本
 

 

少し前にAmazonのセール時に購入しておいた本。そろそろ外に出る準備をしなくてはならないと思い立ち、美容系ファッション系の本を少し読んでおくことにした。

 

今までは身だしなみ系の本は書店でさっと目を通して気にいったものがある時のみ購入していた。そもそもセンスが無いことにプラスして長く海外にいた結果ますます見た目を気にしない質になってしまった。数年前に再び日本での生活が始まった時、周りの華やかさに圧倒され、場違いな自分をどうにかしなくては!と少し勉強するようになったのは良いのだけれど、帰国して1年目はそもそも何が流行なのかすら把握できなかった。例えば今年の色は「赤」ですよ!というところまではわかったとしても、色味の違いが私だけ微妙に違ったり、差し色の具合が古いとか、着こなしが古いとか、いやもう全体的にダメすぎた。

 

そこで、ありがたいAmazonのセールの時に評価が高いファッション系、美容系の書籍は評価の高いものを中心にkindle版で購入するようにしている。おかげで少しはまともになってきたと信じたいのだが、そんな矢先のコロナ禍でまたまたゼロに戻りつつある悲しい事態である。

 

そもそも、なぜ髪なのかというと、海外ではうかつに髪なんて切れないのである。この書籍の中にもあったけれど、日本の美容理容業界の技術は世界に誇るべきもので、美容師さんがミリ単位で髪をカットできるのが当たり前の日本で育ってしまうと海外で痛い目に合う。これは実体験をもっての悲しいエピソードなのだが、「毛先が痛んできたので3センチくらいカットしてください」と言ったら、ロングの髪がセミロングになりました(涙)とか、「少し明るめのブラウンにカラーお願いします」と丁寧に写真も持参で行ったのだが、家で髪を洗っているうちにどんどん色が抜けて一週間後には緑っぽい変なマダラになったり(号泣)とか、いろいろあった。なので、長期滞在している日本女性の髪はたいてい長い。私も日本人美容師さんがいらっしゃるサロンを必死に探したし、予約ができない場合には一時帰国までは美容室には行くまいと決めていた。

今のコロナ禍はあの頃をちょっと思い出す。でも安心して通える美容室がいくらでもあるのでそこはかなり違うだろう。自分に手を掛けると気持ち的にプラスになることが多い。髪型を変えること、エステやマッサージや整体にいくこと、新しい化粧品を買うことなんかで簡単に心機一転できるのは素晴らしいこと。よって、4月の新年度のスタートに向けて髪をどうにかしようと思っていた最適のタイミングで読むことができた。

 

まず、自分に似合う髪型とは自分の心から出るらしい。どんな自分でありたいのか、どうなりたいのか、どんな人になりたいのかとメンタルをとことん突き詰めていく必要がある。「似合う髪型にしてください。おまかせします。」と美容師さんまかせもいいのだけれど、それでは第三者の目に見苦しくなく、輪郭や体形や年齢にフィットしたものにはなるけれど、自分が気に入るかどうかは別のレベルとなる。本来活発な生活で、バリバリ仕事したいと思っている女性にアナウンサーみたいな愛されタイプの髪を施すと、心と髪型がマッチせずでしっくりこないのだそうだ。髪型は自分のルックスを基準に似合う似合わないを判断すること以上に「心に似合う」ことが大切なのだそうだ。

 

著者はとても面白い表現をしていて、仏像を彫ることと自分に似合う髪型を作り出すことが似ていると言っている。よく有名な仏師は仏像を自らの手で彫るのではなく、すでに木の中におられる仏様を掘り出しているという表現がある。それと同じで余計な髪が全部落とされるとつるりと本当の自分が切り出されてくる。

 

自分にどんな髪が似合うのかは前半部を読んでいるうちにぼんやり見えてきた。次にどうしても知りたいことがあった。そう、ケアだ。日本に帰ってきて一番思ったことは湿度の影響が髪に出すぎることだった。梅雨時期などは家を一歩でた瞬間に見事にクセがうねりはじめ、目的地に着くころには髪質もゴワゴワになっている。そのやり方についても参考になる意見がいくつかあった。が、これは前作のほうが詳しいようなので近く購入して読んでみたいと思う。

 

日陰でひっそりしているべきタイプの私ではあるが、この著者の一言に一縷の望みを託したいと思う。

 

また、毎日自撮りをすると必ずきれいになります。これはファッション、美容、ダイエットなど、あらゆる女性の見た目ジャンルのコーチが実践的に証明し、口をそろえて言っていることです。

 

前に読んだフランスの美容の本にも書かれていた。

 


自撮りや鏡で自分を観察することは、他人からの目を意識した客観的な自分観察眼を養うのに有効だ。著者曰く、自分で髪をセットする時、鏡を正面において作りあげるけれども、いざ実生活で人から見られている自分というのは必ずしも正面からだけではない。横から、後ろから、上から見られているわけで、そこをちゃんと意識することでぐっと美的要素を上げられるのだそうだ。

 

心に似合う髪型をしている人は、人生がうまくまわるようになります。なぜかというと、「内面と外面」が一致するからです。

 

服より、化粧より、髪。髪をきれいにして、その髪型に合わせて化粧を変えて、服を変えていく。なぜなら髪は自分から取り外すことができないからだ。化粧は落としてリセットできるし、服も着替えることができる。だが髪は体の一部なのでそこを引き上げない限り、変わりようがない。

 

ああ、春。心機一転したくなってくる一冊だった。