Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#913 大陸もの、ワクワクしますよね!~「司書正 1~2」

『司書正 1~2』丸山薫 著

蔵書楼の知識。

 

お腹がすいているわけではないのに、お付き合いでもりもりのランチを食べていたら急激に体重が増えてしまった。コロナ禍も終わりずいぶん経ったというのに全く体重が減ってくれない。これは本格的に動かなくてはと思った途端に花粉の時期となり、散歩に行くのもままならない。

 

私の花粉症は目や鼻の症状は弱く、その代わり肌のかゆみが止まらない。今年は少し早いタイミングから症状があり、これからGWくらいまで体調管理もしっかりやらなくては。

 

この頃は大陸が舞台と思われる作品が増えているなーと思いながらAmazonを見ていた時、おススメとして本書が出て来た。現在2巻まで出ているようで、ちょうど待ち時間があったので早速購入する。

 

結論から、とても面白かった。3巻目はいつ出るのかいまから楽しみである。

 

ある国に司書正という役目がある。王のみが利用が許されている蔵書楼に司書正はおり、王の知性を支えることが仕事だ。司書正には王室の血筋のある者が代々就いており、そのサポートをする側女と共に蔵書楼に暮らしている。

 

キビはある日この蔵書楼にやってきた。突然やってきた迎えに連れられ、自分が側女となることを知ったのはここに到着してからのことである。前任者よりたった一日の引継ぎを受け、キビは役目につくこととなった。

 

キビは蛮民と呼ばれる部族の出身である。褐色の肌と大きな瞳からキビが他とは姿が異なることはすぐにわかる。キビは祖母に育てられたが、祖母が他界した後、売られて街へ連れてこられた。まだ幼いキビは街で下女として働いていたのだが、こうして今は司書正を支えている。

 

司書正は実は自分の意思では息を吸うくらいしか自ら行動することがない。キビは食事、沐浴など司書正の命を支えることが仕事である。司書正とは、この蔵書楼に収められたすべての書籍を体に蓄えるものである。王がその知識を引き出したい時にのみ、司書正の中に閉じ込められている知識を取り出すことができる。そして、その王のみが司書正を動かす鍵の言葉を持っている。またキビのように決められた者以外が司書正に触れると、司書正の体はダメージを受ける。そして、一度司書正になるとその命は長くは持たない。

 

キビの可愛らしさと物語の不思議さにどんどん引き込まれあっという間に2冊を読み終えた。

 

キビの部族は時に生き物の心を読めるものが生まれてくる。キビもまさにその力を有するのだが、使い方を教わる前に祖母は他界してしまった。これからこのキビの不思議な力が物語を大きく動かすことが予想されるが、この司書正が王の血筋のものであることから、政治の話も中心になるはずだ。

 

これはきっとアニメ化+映画化されるだろうなという予感に満ちた作品。絵も美しく、大変迫力がある。世界観が「後宮の烏」にもちょっと似てるかな。