Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#854 今年の読み納めも時代小説~「わるじい義剣帖 1」

『わるじい義剣帖 1』風野真知雄 著

シリーズ3。

 

さて、年の瀬となりました。

ここ数年、いくつかの長期出張を重ねて進めてきたプロジェクトもひと段落となり、これからはまた新しい企画に向けて準備を進めることとなる。一番の気分転換となる読書にも、何か落ち着きや癒しを求めたくなり随分とたくさんの時代小説を読んできた。ということで、今年も時代小説で〆としよう。

 

 

今読んでいるシリーズもののシーズン3。シーズン2が予想してはいたが意外な展開で終わってしまったので続きが気になりついこちらも急遽購入。

 

元目付の愛坂桃太郎は今、駿河台の自宅へ戻ることとなった。なぜ自宅を不在にしていたかというと、孫がかわいすぎて孫の住む長屋に部屋を借りていたからだ。ところが孫の桃子の母親である日本橋芸者の珠子が、八丁堀で最も仕事が出来ないと言われても過言ではない同心雨宮のところに嫁ぐこととなり、長屋を出た。桃子がいない長屋など住み続ける意味がない。加えて珠子たちの居たところに双子の婆さんが越してきて益々居る理由が無くなった。

 

屋敷に帰って妻の千賀から嫁の悪口を聞きつつ、飼っている猫や犬や馬や牛と戯れるも、桃子に会えない寂しさは埋まらない。近くの問題ごとなどを解決してやるなど暇つぶしをいくつか請け負うが、やっぱり桃太郎は桃子が一番なのである。

 

そんなある日、八丁堀で事件が起きた。桃太郎にそれを伝えようと愛坂家の中間が桃太郎を探しに来た。桃子の名前を聞いた途端、桃太郎は走り出していた。着いた先の雨宮家では、なんと雨宮家の持つ長屋の家作で女絵師が刺されるという事件が起きていた。

 

八丁堀は南北の与力や同心が暮らしており、江戸で最も安全な町である。そんなところで事件が起きるなどありえない話で、その噂は瓦版などですぐに江戸中に広がった。その記事の中には雨宮や珠子の名前まで書かれており、桃太郎は桃子への影響を懸念する。

 

そもそも雨宮家の長屋は2つで、1つから家賃が取れないとなると雨宮家の生活に大きな打撃を与える。もう一軒の家作もこの事件を気にしてついに長屋を出てしまった。本来同心は町人からの実入りもあってそれなりに生活はできるはずなのだ。だがそこは雨宮である。袖の下が入るほどの威厳も、事件を解決する凄腕もない。ということは、やはり生活苦が心配となる。

 

桃子を思う桃太郎、これは事件を解決せねばと奉行所に手を貸すことにした。自宅での事件である。これはなんとしても雨宮自身が解決せねばならない。ところが雨宮にはその力もなく、先行きがなんとも不安極まりない。

 

今まで数々の町の事件を解決してきた桃太郎は、その解決料を唯一の収入としている。シーズン3でもすでにいくつかの事件に手を貸し、町の人々に問題解決の天狗と呼ばれている。前の大家の卯右衛門の蕎麦屋に行く度に桃太郎へ解決して欲しいとの依頼がある。しかし今桃太郎が解決すべきは雨宮家の事件だ。さて、これからどうなるのか、続きは2024年ということで。

 

今年も楽しい読書ライフを送ることができました。

2023年の思い出は読書とともに心にしっかり刻みつつ、大晦日を迎えよう。

 

それでは良いお年を!