Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#847 気軽にサクサク読めてます~「わるじい秘剣帖 5~8」

『わるじい秘剣帖 5~8』風野 真知雄 著

長屋の住人。

 

気が付いたらもう12月も残すところ10日あまり。しかもすっかり忘れていたクリスマスももう今週!今年はほんとに時の流れが速すぎて、ついて行くのに精一杯だ。やっぱりコロナが明けてから、あれこれ動き出したプロジェクトが多かったせいだろう。夏がものすごく前のことのような気がするし、あちこち行った出張も数年前の出来事のような気がしてならない。この調子であっという間に時間が経つのであれば、来年の予定も早々に決めていかなくては。

 

さて、この頃読んでいるシリーズ。また一気に数冊上げておく。

 

主人公はもとお城で目付として働いていた旗本の愛坂桃太郎。名前がとってもチャーミングだが、仕事のできるじい様です。今は長男が外に作ってしまった孫娘の桃子を溺愛中で、桃子の母親で日本橋芸者の珠子の住む長屋に一部屋借りるほどの気合の入れようである。外に出る時は桃子を背負い、とにかく桃子にくっついている。桃子の面倒を見ることは全く苦にならず、むしろやらせて下さい的な勢いなので珠子としては助かっている。

 

そんなじいさんが桃子の安全のみを第一に町内の出来事を解決していくというお話。最初は長屋周辺の小さな話を解決していたが、越後屋との付き合いの後は奉行所が関わるような事件へと発展するようなものもが増えてきた。というか、奉行所が桃太郎に頼っている感じ。

 

というか、これもすべて長屋の大家のせいである。空き部屋が出る度に大家は面談の上で次の住人を決めているのだが、これが見事に一癖ある者ばかりがやってきた。どうしてこうも人を見る目がないのだと桃太郎は大家に自分の習い事である顔相学にまで連れて行く始末。周りのおかみさんたちの話だと、大家はシュッとした小綺麗な人であれば簡単に良い人と判断する傾向があるらしい。

 

そんな大家が迎えた人々は桃太郎の目には「何かある」のが一目瞭然で、それも全員が特殊なバックグラウンドを持っている。逆にここまで集まると大家に悪を見る才能があるようにも見えてしまう。

 

長屋のメンバーで特に面白いのは拷問屋という男だ。拷問を商売にしており、それも結構儲かっているという。町奉行が下手人を吐かせるために行う暴力を帯びた拷問ではなく、じわじわと精神を責めるタイプの拷問らしい。客は多く、武家から大店までと幅広い。大体が罪を犯したことを認めるもその理由を語らない場合などに呼び出されるようだ。

 

結局この男は信用できるということがわかったが、桃太郎が追い出した住民や住民候補は数人に上る。これから桃子をどのように守っていく予定なのか、期待が高まる。