『家が好きな人』井田千秋 著
5人の暮らし。
今週、思い切って夏休みを取った。本宅に戻り、ゆったりと読書しながら好きなものを食べ、自由を満喫する予定だった。しかし在宅勤務ができるシステムのあれこれが休みの日でも元気に稼働しており、Teamsが鳴りっぱなし。電話も止まらず、すぐに対応しないでいると今度はSNSが山盛りに。これ、皆さんどう対応しておられますか。つくづくヨーロッパのホリデーのシステムが羨ましい。9月の頭に引いた風邪もまだまだ残っていて咳が止まらないし。
さて、この頃まとめて購入したマンガを読んでいるのだが、本書は何かの本を購入した際に次に読む作品として紹介されていた一冊だ。評価もものすごく高く、普段はKindle使いの方が書籍版を購入したくらいとのコメントに早速読んでみる。
タイトルから私は家の中にいることが好きな人のお話だと想像した。確かにインドアを楽しむ人たちが描かれているが、純粋に「家」という建物が好きな人への本でもある。
登場人物は5名で、それぞれ一人暮らし。そしてちょっと古いタイプのアパートに住んでいる。たたみのある部屋をそれぞれのセンスで洋風インテリアでまとめている。Cozyな感じに満ちた部屋だ。
例えばこちらのカエさんは押し入れを寝床にしている。
いいなあ、こういう狭いところ大好き。押し入れの隅に座って本を読みたい気分になる。このバスケットも素敵だし、狭いが快適な空間に見えてきた。
ちなみにカエさんのおうちの間取りはこんな感じ。
こうして5軒分のお部屋が紹介されており、全てのページが柔らかい色のカラー仕上げになっているため、見ているだけでちょっとした癒し効果があるようだ。
全てのお部屋が広くはなく、雨の日や雪の日などにおこもりしたくなるような心地よさがある。暑い日はベランダに出てお茶を飲んだりもできるし、四季に合わせた自分らしさというか、ヤドカリの貝を想像させるようなほっこりした時間の流れが見えてくるようだ。
自分の暮らす空間を考える時間はとても楽しい。ああしよう、こうしようと考えるだけで、幸せな気分になるのはなぜだろう。こんな空間なら、日々落ち着いたマイペースな生活ができるかも!という夢を見られるからだろうか。
秋におすすめな一冊。