Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#799 薪ストーブへのあこがれ~「天狗の台所 3」

『天狗の台所 3』田中相 著

小春さんが耕します。

 

 

未だ喉の調子が全快とは言えず、枯声えな上に長く話すと咳が止まらなくなる始末。ああ、早く治ってほしいなあ。

 

さて、この頃気に入っている作品の続編。

 

本作品、まさに「こういう生活がしたいのよ!」を実現してくれている。彼らは天狗の末裔で、都内のしかも都心部に田んぼを持てるほどの広大な土地を持っている。それはもう皇居レベルの私有地で、田んぼのほかにもちょっとした畑もあるしハイキングにぴったりな丘もある。

 

今、この土地を管理する基は、まだ20代だというのに文明の機器にはものすごくうとい。スマホが使えないのはもちろんのこと、やっと電気が通ったかのような生活を貫いている。先代の管理者であった祖母が大の風呂好きだったらしく、庭に露天風呂を作ってしまった。基は祖母の影響を受けているのか、早寝早起きの風呂好きで、料理はなんでも作ってしまう。とにかく、なんとなく未だ昭和を生きているような人なのだ。

 

台所はそれが顕著で、今でもかまどを使っているし炊飯器はもちろん無い。楽に料理ができる機械類は冷蔵庫以外に一切ない。それが、なぜか妙に贅沢に見えるのはなぜだろう。きっと憧れそのものだからだろう。

 

今回、NYに住む両親が久々に帰国した。そこで母の好物であるチェリーパイを作るのだが、焼くのがオーブンではなく薪ストーブ!


こういうのに憧れるのです!例えば、七輪で魚を焼きたいわけですよ。魚は焼いた後の掃除だったり家中ににおいが付いたりで今では簡単な魚焼き機(電気のやつです)もあって超便利。電源入れたらいい感じで焼いてくれるし、焼いている間も付きっ切りになる必要もなくてものすごく良い。

 

ただ、機械よりも昔のやり方のほうがおいしそうに感じるのはなぜだろう。超ハイテク炊飯器より土鍋で炊くごはんがおいしそうに感じてしまう。基の生活はすべてが「昔風」で逆に味があるように見えてしまう。

 

しかし、田んぼを耕すのに牛かー。

 

やっぱり時間の流れが違うんだろうな。生活のために集中できる時間がものすごくうらやましい。