Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#416 魚を美味しく食べたいから~「目からウロコの魚料理」

『ウエカツの目からウロコの魚料理』上田勝彦

魚のさばき方とレシピ。

 

高校生の頃、通学途中の駅に大きな書店があった。たまに寄り道しては次は何を買おうかな!とわくわくしながら本を探す。当時の私のお小遣いは数千円で、悩みに悩んでやっと数冊の文庫本が買える程度だったから「大人になったら好きなだけ本を買えるかな。そうなるといいな。」といつも思っていたし、文庫本が精一杯だったからハードカバーとか洋書とかを躊躇なく買えるのは大人の特権だと思っていた。それが大学に入りバイトを始め、少し余裕が出来る。映画見たり、CD買ったり(平成ですから!)、デパ地下のお菓子買ったりしても本を買う余裕があって、高校時代の倍の数の本を買っていたと思う。それでもものすごく選べる自由が増えたように思っていたし、とにかく本屋さんにいるのが楽しくてしょうがなかった。

 

大人になりある程度自分の望む物を購入出来るようになった。家とか車とか豪華旅行は無理だけれど、本に至っては幼いころの夢が叶ったように思う。子供の頃に大人になったら何になりたいとか、どんな風な大人になっていたいとか、何歳で何をしたいとか、大きすぎる夢は未だ叶ったものは少ないけれど、こと読書についてはとても恵まれた環境に身を置くことが出来るようになり、今に感謝しなくてはと思う。

 

ただ、反省点も大いにある。昔はあんなに吟味して本を書い、暗記するくらい読んでいたのに、今はその姿勢が薄れてしまったこと。好きな本を買えるようになったことはとても良い事だけれど、衝動買い的なショッピングも多くて「その本から何を得ましたか?」と自問自答してもまともな答えを導き出せない。ネットだと簡単に本を購入できてしまうし、重い本も自宅まで届けてくれるから「つい」買ってしまうのだけれど、これからはちゃんと吟味するようにしなくちゃな、と思う。

 

今日の本は実は長く長く買おうと思っていた本で、書店に行く度に迷って迷って買わずにいた一冊。吟味に吟味を重ね済みなので迷うことなく今回は購入することに。Black Friday、ありがとう。Amazonのポイント率よりも楽天のほうがお得だったことと、溜まったポイントの消化が目的だったので、以前より買おうと思いつつもなかなか買えなかった本を選んだつもり。大切に読まなくては。

 

さて、本書。ウエカツさんはおなじみの魚のプロで、知らない魚はないのでは?と思う程に博識!まさに私の中ではアイドル的存在の方だ。おいしい食べ方のお話がものすごくおもしろい。以前テレビ番組でちらっと拝見した時、魚に対する思いの強さに圧倒された記憶がある。最近はYoutubeも始められ、ますますご活躍のウエカツさん♡

 



ところで魚、さばけますか?私は無理です。結構力もいるし、手もかかるし、何よりグロいのが苦手なので目があったりなんかするともう無理すぎる。ただ、本宅が魚のおいしいエリアにあるので、これからは鮮度や質がわかるようにならなくては!いろんな魚について知りたい!おいしい魚料理が食べたい!と、結局はおいしく食べるという目的のために、少しずつ学び始めたところ。

 

本書の一番の長所は、魚が手に入ってから食べるまでの全部がこの1冊で分かるところ。魚を丸ごと手に入れてから何をすべきかが写真入りで説明されていて、さばいてから料理に合わせた手順も紹介されている。写真を見ていると何ひとつムダがなく、むしろ美しい。今まで「内臓無理」とか言っていたくせに、ウエカツさんの手さばきを見ているとむしろやってみたくなるから不思議だ。動画もいくつか見たけれど、ものすごくかっこよい。魚はそれぞれ形が違うからさばき方も複雑だろうなーと思っていたけれど、本書を読んでむしろシンプルかも!と思うようになった。魚を余すところなく最高の形で食そうという思いが強くなる。

 

魚の食べ方はいろいろあって、生で、煮て、焼いて、蒸して、揚げて等があるけれど、一つ一つの食べ方の指南が書かれていてそれが結構深い。例えば、「揚げる」ならば4つの「揚げる」がある。素揚げ、から揚げ、てんぷら、フライと、改めて「揚げるってこんなに種類あったんだ!」と思わせられた。どうやって食べるのか迷った時にはとても参考になると思う。

 

そして、日本で手に入りやすい魚の紹介も面白い。プロフィールと食材としての食べ方などが説明されていて、切り身じゃない姿ってこんな風なんだ!と確認することができる。ところで、この間読んだ本が海辺の街の小説で、いろいろな魚が登場していた。たしか参考文献でこの本があげられていたはず。

 

 

近くに市場があるので時々出かけていたけれど、この本を読んで次に行くのが楽しみになった。道具もいくつか揃えなくては。ウロコ取りと骨抜き用のピンセット買わなくちゃ。あと、おススメされているゴムのまな板も欲しくなる。確かに魚を扱った後、まな板からニオイが取れないことがあったので本宅用に一つ買っておこう。

 

市場に行く前にじっくり読んで勉強しておきたい。