Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#643古い暮しに見る丁寧さ ~「うちのちいさな女中さん 3」

『うちのちいさな女中さん 3』長田佳奈 著

昭和初期、女中さんと先生の毎日。

 

この頃、海外からのお客様が多い。久々に日本に来る方も多く、ここ数年でどんな変化があったかなど互いの近況報告をする。コロナ禍はやはり海外でも生活様式を大きく変える契機になったようで、在宅勤務が増えるに従い食生活が変わった話などで盛り上がった。

 

話を聞いていて思ったことは、日本においてのコロナ禍による食生活の変化は、他国と随分違うということだ。まず、私が聞いた大体の国では食のデリバリーが増えている。日本でもUberをはじめとするデリバリー業が外食産業を支える側面があった。海外も同じ様な例があったようで、大きな街ではデリバリーのメニューが増えたり、エコフレンドリーな容器が採用されたりと、何等かの変化があったという。

 

そして、スーパーにお連れした方から言われたことは、「日本人は料理が得意なのね」だった。海外に比べ、冷凍食品の種類が少ない、手の込んだ料理を簡単に作れるセットがない、など家で食べるにも調理時間をいかに少なくするかがテーマとなった食材の売られ方が少ないという。日本の場合、若い男性が真剣に調味料を選んでいたり、魚を切り身ではなく丸ごと一匹購入している主婦、出来合いのものも売っているのに、家で作ろうとするメニューが多そうだと、食に対する日本人の意識はより磨きがかかったみたいねと言われた。

 

この頃海外に行っていないことから、こういう話を聞くとものすごく楽しくなる。そして個人的な好みの問題だが、例えば「鍋セット」のようなものを購入するより、一つ一つ食材を吟味して、自分なりの鍋を作りたいと思う派だ。お味噌汁を作るとき、出汁入りの味噌も売っているけれど、自分で出汁から作るという人も日本はまだまだ多いと思う。

 

海外の方の話を聞いて、なぜ日本人は手軽な料理方法を取り入れないのか考えた。で、気が付いたことは、私たちは割と多様な料理を作ることに原因があるのでは?と思った。例えば、大根一本を丸ごと使うことの出来る料理がたくさんある。その地域によって味の差もあるし、もっと家が家庭ごとに味が異なるはずだ。そして、名前の付いた定番料理がものすごく多く、季節ごとに食べるメニューがある。だからセット的なものを作るとすれば、本当に代表選手であれば需要があるだろうけど、年中定番として食卓に上がるものには限りがあるだろう。

 

そんなことを考えながら、またAmazonでギフトカードの購入であれこれやっている際、この頃お気に入りのマンガについて思い出し、早速購入した。

 

 

今回はちょうど思っていた台所事情の話があって、ああなるほどなーと理解。

私たちは物を残すことを好まない。とくに出された食べ物は残さず食べるようにするし、作る際にも無駄を出さないことを考える。コロナが影響かどうかはわからないけれど、丁寧な暮らしが心を豊かにするような考えもある。だから、「口に入れば何でもいい」と考える傾向が他国よりは薄いのかもしれない。

 

そして便利な器具や家電で楽をすることは「丁寧ではない」という考えは持っていない。卵白を泡立てるのに手動で必死に泡だて器をかき回すのも良いけれど、ホイッパーがあれば時短になるし、キメも細やかで手動ではできないレベルに出来上がる。

 

言いたい事は、はなちゃんのように台所を衛生的に保とうとか、食材の賞味期限も割と気にするのが日本人なのかなー、ということだ。インスタントより本物を好む、みたいな。

 

これは本当に個人の好みの問題なので何とも言い難いが、私は昭和初期のような生活が決して嫌いではない。便利よりは丁寧に美味しく頂き、そこに幸せを感じたい。

 

 

こういう生活が好みです。

 

今度海外に行くチャンスがあったら、ぜひ現地のスーパーに行ってみたい。どんな便利な生活になっているのか、今からあれこれ想像している。帰国して「あれまた食べたいなー」な気持ちを支えてくれる便利セットとかあるのかな?などなど、楽しみが膨らんできた。ヨーロッパ行きたーい!