Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#756 老後、どこで暮らそうかな~「ハオハオ台湾」

『ハオハオ台湾』木場幸子 著

73歳!

 

次のプライベートの旅行は台湾と決めている。台湾には今まで3度行っているが、すべて台北のみだった。台北でも十分に満足したどころか「また行きたい!」な気持ちが高まる一方である。特に「用九商店」を読んでからは、台中、台南、高雄など南の都市にも行きたくてたまらない。暇さえあれば読み直しているほどで、時間ができたらドラマも見たい。

 


とりあえず、台湾に行くにあたり言葉を何とかしたいものだと思う様になった。台湾は私たちが一般に考える「中国語」を話す。北京語というやつだろうか。しかし表記法は異なり、大陸の簡略化した簡体字ではなく日本語に近い繁体字を使っている。そのせいだろう。台湾や香港はやたらと親近感が湧く。

 

とにかく台湾に行きたい熱が止まらないので、Kindle Unlimitedで台湾に関する本を片っ端から読んでいる。本書もそうして見つけた一冊だ。

 

海外地域に関する書籍は「旅行」と「移住」に大きくわけることができる。本書は後者で、なんと73歳で単身台湾に移住されたという方のお話。そのきっかけがまたすごくて、栄養士をしながら高齢の母親の老後の面倒見、その母親が100歳で他界されやっと自分の時間が取れた。そこで詳細はよくわからないが、ご主人が台湾におられたことから移住されたとの事だが、そのご主人とは老後を共に暮らすつもりはなかったとのこと。ちょっと複雑な背景である。

 

とは言え、そのご主人がいらしたからこその台湾生活であり、73歳でありながらも現地の運転免許証の取得するなど、その行動力に驚いてしまう。完全にペーパードライバーの私の目には自転車はものすごく怖いものとしてインプットされている。極々たまに運転するのだが、チャリを見かけると全細胞がそこに集中するくらいに怖い。それに輪をかけて恐怖をあおるのがバイクだ。初めて台北に行った時、「ここもか!」なほどにバイクの多さに驚いた。そういえば香港のバイクの量は東京とあまり変わらない印象がある。ところが台北は東南アジアレベルで、原付が何列にも並んで走っていた。その中を運転するなんてすごすぎる。

 

本書を読みながら考えた。著者は73歳で移住し、少なくとも6年は台湾で暮らしている。将来日本の高齢者ケアに期待ができないのであれば、日本以外の国で老後生活を送るのもよいかもしれない。日本よりも物価が安く、帰ろうと思えば数時間で行き来もできる。台湾はまさにベストなのではないだろうか。今は定年=60歳ではなく、著者のように73歳まで働く時代が来るのかもしれない。逆にアーリーリタイヤなど40代で悠々自適に毎日を楽しんでいる方もいらっしゃるが、医療が発達し100歳人生が普通になりつつある今日この頃、リタイア後の人生が会社勤めより長くなることだって考えられるのだ。

 

とはいえ、他国で税金等を払うにせよ、住まわせてもらうくらいの気持ちで暮らすわけだから、言葉や習慣以外にもストレスはあるだろう。他国へ甘えるわけではないが、もしその環境に身を置かせてくれるのならば、やはり「老後を海外で」というのは若いうちから考えておきたい。

 

著者がこれから留学する大学生とほぼ変わらない好奇心で台湾生活を送っている様子に、ますます台湾の懐の深さにじーんとする。