Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#748 いつか行く旅の予習中です~「CREA Due Traveller 日本の手仕事を探しに」

CREA Due Traveller 日本の手仕事を探しに』

雑誌。

 

この頃ものすごく忙しく見える方に「どうやって時間をやりくりしていますか?」と聞きたくなるくらいに全く仕事が進まない。その上やってもやっても減らないので、このところ心が折れつつある。みなさん同じような悩みをお持ちだろうし、同じ組織の中でも全く働かない人、効率悪すぎてコスパ最悪なのに仕事してるフリばかりは上手な人、いつもどこで何をしているのかわからない人、人の手柄を横取りする人などが横行しているなかで、この理不尽さをどこにぶつければよいのか!と怒り心頭な皆様。本当にお疲れ様です。

 

さて、本書はちょっと調べ事をしていた時に偶然見かけた一冊で、なんとKindle Unlimitedで読めると知り、早速ダウンロードした。

 

「手仕事」とか「民藝」という言葉をみかけると、つい手が伸びる。そして憧れとともに「いつか行ってみたい」と夢を持つ。機械で作ればあっという間に出来上がるであろうが、手仕事となるとものすごく時間がかかるだけではなく、独創的な模様や形が信じられない程に美しい。本書は岡山、九州(長崎、大分、熊本)、山陰、そして大阪が紹介されているのだが、それがどれも素晴らしくてこれはまさに保存版!という一冊である。

 

特にこちら、ずっとずっと欲しいと思っている竹細工。

この大分と熊本の紹介内容が素晴らしく、28軒全て行ってみたくなるものばかりだった。食といい宿といいどれも見事なものばかり。九州は波佐見焼を見に長崎に行きたいという気持ちはずっとずっとあったし、福岡と宮崎と鹿児島は年に数回出かけることがある。いつもなかなか訪れるチャンスに恵まれない大分と熊本がこんなにも素晴らしいとは!逆に仕事とは全く別の「手仕事」のみの旅が可能になるという意味ではプラスなのだ、と考えることにしよう。

 

そして山陰。出雲大社から始まり広く広く文化の根のある地域と独特な模様や色が施されたぬくもりある品々は、京都や奈良とも異なる深い歴史を感じさせる力がある。ああ、こういう物を名品というんだろうなあ。

 

以前に聞いた話だが、アジアの国で食事をする際に部屋の空間から調度品、参加者の服、食器から茶器に至るまで、その全てを愛でる文化を持つ国は非常に少ないと聞いた。そう教えて下さった方は東南アジアのご出身で、お仕事で多くの国々を駆け巡っておられる。日本は運よくそんな国の内のひとつらしく、同じ箸の文化の国でも左右対称じゃないものを提供していても平気な国もあるのです、とのことだった。

 

食と言えば、本書で紹介されている福井県のお食事がものすごくおいしそうな上に、その食器とお食事の色合いの素晴らしさに唸る。

 

結局、手仕事の品は生活を豊かにしてくれる。こういったものを一つまた一つ、身の回りに増やしながら代々継げる程に大切なものにしていきたい。

 

ということで、次の国内旅行の行き先だが結局本書一冊で行きたい場所が何倍にも増えてしまった。永久保存版。