Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#708 駆け引きですかね~「本当に賢い人の丸くおさめる交渉術」

『本当に賢い人の丸くおさめる交渉術』三谷淳 著

Audible

 

数冊聴き、やっと使い方がわかってきたAudible。ビジネス関連の自己啓発本を中心に聴いており、出勤時、家で「ながら」ができるタイミングに1.6~2.3倍程度の速度だと1週間に3冊は聴ける計算になる。特に嬉しいのは移動時だ。本だとどうしても車酔いしてしまいそうな時は耳から聴くに限る。

 

さて、本書を選んだ理由はなんとなく「話す内容を上手にまとめ、わかりやすく相手に伝える」という作業をどうにかブラッシュアップしたいという目的からだ。

 

 

ものすごく説明上手で仕事のできる先輩がいる。彼は聞き上手でもあるし、「わからないので教えてください」と質問すると、経緯から本筋までをものの数分でさくっと説明してくれる。長い会議の席で悶々としていた自分に対し、同じく同席しながら次のアクションまですでに取り掛かっておられる先輩をロールモデルとしようと決めたのだが、まずは自分なりにどう努力すべきかその方向性を定めようとAudible作品から学ぼうとしているところだ。

 

本書は上2冊の本をダウンロードした際におススメとしてあがっていた作品のうちの一つで、タイトルから「営業時の交渉に役立ちそう」と軽い気持ちでダウンロードしてみる。Audibleはこういうところもサクサクと進むので非常に使い勝手が良い。

 

さて、交渉というと社外の営業などなどで使いそうなイメージが強いが、私は上司を説得するためのヒントを得たい気持ちがあり、ここから一歩進めたら良いなあという期待を持って2倍速くらいで聞いてみた。

 

著者は弁護士で、恐らく今まで扱ってきた案件の中から例文を書いていると思うのだが、残念ながら私の仕事にぴったりと当てはまる例は見つけられなかった。本書の例は目に見える「モノ」を相手にするビジネスの場合が多く、しかも交渉相手が物分かりが良すぎるという点において実際のビジネスシーンで本書を活用できる人は限られるという印象を受ける。

 

クレームが発生した場合、稀にこちらに非が無い場合でも相手が激高していると「話を聞く」だけでおさまらない場合もある。俗にいうクレーマーということではなく、この案件が整わないとプロジェクト自体に大きな穴が出来てしまうので、まず大切なのはいつまでに何ができるか、であろう。本社のアドバイスでは、少しのらりくらりとはぐらかされてしまうような、もっと言えばお客様相談室のマニュアルのような、少し言い方を変えてオブラートに包む的なイメージが強い。

 

問題解決の書籍ではないので仕方のないことかもしれないが、例に挙げられているシチュエーションを見る限りでは、交渉というシーンの極一部にのみ適応する内容と言えるだろう。いや、交渉というよりは「運が良ければ相手が受け入れてくれるかもしれない話し方」かな?

 

残念ながら私の求めていた点とは少しそれていたが、さっと聴けてますます便利さを満喫中。