Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#703 羅の人たちの奔放さが魅力です~「薬屋のひとりごと 13」

薬屋のひとりごと 13』日向夏 著

都に着いて。

 

気がついたらまたAmazonでイベントをやっており、あれこれ見ていたら本シリーズの新刊が出ていたことに気が付いた。

 

次作が出るタイミングがなかなかつかめないのだが、アニメ化されるそうなので少し早いタイミングで次作が出ると嬉しい。

 

さて、13巻では医官手伝いの猫猫の動きと言うよりも、その周辺の人物に少し色を付けるための内容のように感じられた。まず、猫猫の周囲は少し複雑だ。猫猫の実父は武官を束ねる羅漢。実母は遊郭の者だった。父の羅漢はものすごくクセのある人物で、将棋や囲碁に強く、それ以外のことに関心がない。そして人の顔がわからない。全てが将棋や囲碁の駒に見えるそうだが、例外として猫猫の母と猫猫はしっかりわかるらしい。猫猫は廓で生まれ、廓に暮らした。母は病でおかしくなってしまったことから廓の牢にて隔離されていた。猫猫は母を知らず、医師羅門の手で薬剤師の手伝いらしきことをしながら育てられる。羅門は猫猫の父である羅漢の叔父にあたる。心優しく、変人羅漢にも優しい。

 

そして、猫猫には義兄がいる。羅漢が親戚筋から養子として受け入れた羅半だ。もともと羅半の父親が羅の一族の長であった。その次男が羅半であり、猫猫の父は羅の長の位を圧制で手に入れ、長の一家を田舎へ追いやった。羅半は田舎暮らしより都会暮らしが似合う、やたらと数字に強いが体力はゼロという人物で、羅漢のダメさをカバーしている。

 

その羅半には養子に出る前の本家に実兄がいる。その兄、農業に詳しく何かと使える人物だ。今回西都で蝗害を抑えるに大きく活躍したのもこの人物だ。ところが顔、名前、人物像に特徴がないということがセールスポイントというか、それこそた特徴というかで、羅半兄と呼ばれている。そして誰も本名を知らないことからちょっとした手違いなども起きる。

 

そんな羅の一族の兄弟たちについての特徴を盛り込んだのが13巻である。これから都で何か大きなことが起こる予感。早く続きが読みたい。