Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#558 久々にハラハラドキドキな読書を楽しめました~「薬屋のひとりごと 12」

薬屋のひとりごと 12』日向夏

猫猫、西都での戦い。

 

先週末に帰京し、やっと日常を取り戻し始めている。スーツケースを片付け、家の中のあれこれを整え、やっと一息つけるようになったところだ。まずはミネラルウォーターの定期便の確認しようとAmazonを開いたら、なんと11日まで読書祭りとある!これは参戦せねばとあれこれチェックしているうちに週末は終わってしまったのだが、本を読める楽しみにワクワク中である。

 

そして続けて読んでいるシリーズものの続編が出ていたことを知り、早速購入。

 

 

本書を知った頃、すでにまとまった数が出版されていたので一気に読んですっかり気に入ってしまった。主人公の猫猫は王宮の医官付き官女として医薬についての仕事にあたっている。そもそも猫猫の医薬の知識は育ての親である羅門から得たもので、羅門はもとは王宮の医師として活躍した天才だ。猫猫の実父は羅門の甥である羅漢という軍師で、この人もまた突出した能力がある。猫猫の父方の一族である羅の者たちは特殊な能力がある天才肌が多い。一方母は妓女で、猫猫を産んだ後は心身を病み、猫猫から遠ざけられたところでひっそりと生きていた。

 

さて、10巻以降は西都という隣国との国境に隣接する町が舞台となっている。この小説自体がなんとなく大陸を思わせるような流れなので、自ずとウイグルあたりを連想させる。西都は今上帝の正妻の出身地でもあり、権力争いが渦を巻く。そこへ大量な飛蝗による公害も起こり、街はどんどんと疲弊していく。

 

皇弟と西都に赴く面々は、度重なるトラブルに対応すべく全身全霊で臨むというお話。12巻では一つの区切りとなるような場面もあり、益々次巻が楽しみになった。

 

本シリーズはラノベではあるが、大人向けな背景が軸となっている。まず王宮をめぐる政治や経済の話はビジネス小説のような流れがあるし、そこにうっすら人と人とのドロドロした戦いから、ふんわり恋心のようなところもありでとにかく面白い。またキャラクター一人一人のアクが強くてよくこんな登場人物思いついたものだなあと関心してしまう。読み始めたら止まらない楽しさがあり、今回も「ああ、もう読み終えてしまった!」と思いっきり読書を満喫する。

 

本シリーズはコミックも出ているそうなのだが、私は圧倒的に小説押し。コミックもちらっと見てはみたけれど、内容の深さは小説に軍配があがる。以前は早いタイミングで次々と作品が出ていたのだが、この頃は年に1冊の出版となっているようだ。ああ、早く続きが読みたいなあ。