Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#694 ボリュームたっぷり、読み応えありすぎです~「居眠り磐音 18~20」

『居眠り磐音 18~20』佐伯泰英 著

3冊まとめて。

 

週末も仕事の本を読む傍ら、こちらを黙々と読んでいた。全51巻とのことだが、まだ折り返し点手前ではあるが全く飽きることなく読み進めている。ボリュームのあるシリーズものだし、読む速度も速いので1巻ずつ書き残すのが面倒になってきたことから、これからはある程度まとまった数量を書き残していこうと思う。

 

 

18巻では、磐音が通う道場の建て替えが進む話から始まる。佐々木道場は磐音が関前藩江戸詰めだった頃からお世話になっている道場で、いまや磐音が道場の中でも上位の技を持つ者となった。

 

道場には師範という道場主を支える立場の者がいる。佐々木道場には本多鐘四郎という師範がいた。道場に住み込みで後輩の指導から道場主の代理役もこなす。剣道を志す者、ことに佐々木道場に通うものは根が真っすぐで爽やかそのもので、鐘四郎もそんな人柄だった。

 

佐々木道場は江戸を代表する道場であったことから子弟の数も多く、祖父の代に建てられたという道場も幾分手狭になっていた。佐々木家は今は藩に属することはないのだが、その理由については歴史に埋もれ誰もが知らずにいた。ただ、立場が変わりつつも土地や建物がそのまま進呈されていることから、幕府に近いことだけが何となく感ぜられる。一体何があってのことなのかは全くわからないが、佐々木道場は今も昔も江戸一の技を有する道場であったのだ。

 

さて、そんな道場がついに改築と相成った。土地もあるし、建物を大きくすることで多くの子弟を受け入れられるだろうと普請を決めたわけだが、とんでもない資金が必要であることがわかる。しかし佐々木道場を支援する町の人々からの援助で無事工事が始まるのだが、基礎工事の最中に地中深くから壺のようなものが出て来た。中を改めると古い刀などが現れる。これは吉兆と、その後も道場には明るい雰囲気が広がった。

 

そのうちの一つだろうか、鐘四郎に縁談が舞い込む。行きつけの食事処に向かうところ、ならず者に脅かされている武士の娘を助けた鐘四郎だが、それが縁となっての縁談だった。18巻はそんな明るい話で進んでいく。

 

19巻に入り、佐々木道場は杮落しを迎える。立派な道場にふさわしい祝い行事ということで東西対抗の試合を行うことになった。磐音は内々に道場の後継ぎになることを求められ、おこんとともに道場を背負うことを決心するのだが、この杮落しでは裏方として支えることに決めていた。

 

華やかなことが続く中、磐音の身には影が忍び寄る。不覚にも夜道で襲われ怪我を負った磐音は友人の蘭医淳庵の手で傷の治療を受けるが、怪我を負った直後は意識を失い誰もが磐音の命を案ずるほどであった。よって結局杮落しの試合から磐音は外され、本来望んでいた裏方として道場を支えることで決着した。

 

試合には流派に寄らず、江戸の強者たちが40人あまり登場する。とにかくそうそうたる顔ぶれで、佐々木道場からは3名がエントリーしたのだがなかなか勝ち進めない。東西の勝ち抜き試合で進めらるのだが、準決勝で人数が合わなくなり急遽磐音が登場する。

 

20巻、磐音は佐々木道場の後継ぎとなるべく準備を始めた。まずは深川の長屋を引き払い、道場へと住まいを移す。長屋の主は嫁おこんの父親だ。町民であるおこんは、磐音との婚礼にあたり武家へ養女となり、その後に佐々木家に養子に出た磐音と暮らすこととなる。それぞれが新しい生活に向けて、懐かしい生活と別れを告げることになる。

 

さて、磐音は幕府の参詣の際に次代家基の警護を務めた。幕府に歯向かう手先から家基を守った磐音だが、その後もその因縁を受け続ける。密かに刺客を放った幕府の敵は、まずは磐音の命を狙うのだが強剣の磐音に勝てるはずもない。なぜ襲われるのか、やはり襲われる理由は家基警護以外に思い当たることもなく、磐音は敵が次々と訪れる理由については誰にも語らずにいた。しかし大きな闇があることを知らない南町奉行所の同心、木下は磐音が襲われる理由を探そうと敵を追い続ける。ついには敵のしっぽを掴んだのだが、逆に木下へ調査を止めるように上からの圧力がかかる。

 

こうやって3巻分のストーリーをさっと書き残してみると、いかに壮大な作品かということが感じられる。まだ半分も読み終えていないというのに山の湧き水が大河となり海に注ぐような気持ちだ。