Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#693 秘湯好きも楽しめる時代小説です~「居眠り磐音 17」

『居眠り磐音 17』佐伯泰英 著

法師の湯。

 

読書の勢いが止まらない。このシリーズを読み始めてからものすごい速度で読み進めており、1冊ごとに記録するのが追い付かないほどなのだが、そろそろまとめて書き残すことも考えようかと思っている。多分1日で1.5巻分くらい読んでいる感じなので、20巻以降は2冊とか3冊とかまとめて記録したい。

 

さて、磐音の周りでは婚礼が続く。16巻では許嫁であった奈緒が吉原を出て紅花商へと嫁いだ。本巻ではついに磐音が日頃世話になっている両替商の今津屋の主、吉右衛門とお佐紀が祝言の日を迎えることとなった。

 

美しい佐紀と幸せな吉右衛門祝言は御側御用取次の速水左近を仲人に、多くの武家や商家の早々たる参加者に見守られ、無事終了した。佐紀も江戸の生活に慣れつつあり、今津屋の中も明るい雰囲気に包まれている。

 

一方で磐音もどんどんとおこんと添い遂げる気持ちを高めていく。許嫁であった白鶴太夫も今や吉原を出てすでに山形の商家へと嫁いでいる。ようやく磐音もおこんに対する気持ちを固めたというところだろう。そのおこんがこの頃元気がない。友人の蘭医たちの見立てによると気鬱だという。今まで一人で今津屋の奥を仕切ってきたが、佐紀が来たことでおこんの役割の大半がおこんの手を離れて行った。一気に業務から解き放たれたことで気持ちが萎んでしまったのかもしれないと、おこんは磐音とともに湯治を進められる。

 

気持ち的には磐音には初恋を貫いて欲しかったので、「ああ、やっぱりおこんさんなのねー」と思うところあり。とはいえ、僧侶のように生涯許嫁を心に生きていくというのもおかしな話なので、読者としても磐音を祝う気持ちを準備させられるような内容だ。でもやっぱり許嫁の奈緒はこれからもストーリーの中で登場するのかな?な予感(というか期待)がある。

 

さて、湯治の先は越後の国境、三国峠の手前にある法師の湯というところだ。検索してみると今の群馬県新潟県の間くらいですね。

 

磐音は将軍家の日光参詣の際、次代家基の警護を任せられた。家基を亡き者にしようとたくらむ動きがあったため、これを成敗して無事に江戸まで送り届けたのだが、それを根に持つものが居るのだろう。刺客が次々と磐音の前に現れる。

 

とにかく法師の湯、なんだか気になるんですね。検索してみるとまさに秘湯という感じで、昔ながらの建物が残されている様子も風情があって美しい。こういうところで読書三昧したいものです。

 

ここから磐音とおこんの二人三脚が始まるのかな、という予感。