『からだ思いのグルメ調味料 選び方・使い方』岩城紀子 著
グラホの調味料。
今週末こそ調味料を買いに行こうと思っている。そこで早速こちらで予習することにした。今買いたい調味料は、醤油、味噌、味醂など日本人の家に必ずある必需品たちだ。あと出汁もあってもいいな。いずれにしても重たいものなので、ちゃんと考えてから購入しなくてはならない。
日本の発酵食品は育った地域それぞれの味があり、南は甘さが強いなどの特徴がある。初めて九州に行った時のこと、煮物が甘くて驚いた。見た目はいつもの煮物と変わらないのに、砂糖やはちみつなど想像できる糖分とは異なる甘さで、それがトリガーとなりなかなか箸が進まなかった。同様に食べ慣れない味だとその調味料を最後まで使い切る自信がない。しかも結構な量が入っているものなので、せっかくなら最後まで美味しく食べたい。
ということで、本書の登場である。
2022年夏現在、グラホで販売されている56種の調味料を中心とした食材が掲載されている。
このように、商品の説明とともに、グラホで取り扱うに至った経緯や味のおススメなどがある。
巻末にはレシピ集もあり、単なる商品カタログではなく、しっかり楽しみ尽くすための工夫がある。著者は関西の方なので、ラインアップを見ると関西の人には馴染みのある商品が多くならんでいる印象がある。逆に関西以外の人であれば、知らない商品がものすごくたくさん並んでいることとなり、食べてみようかな?という気になるだろう。
とは言え、先に書いた九州の煮物のように、想像する味を大きく超えるものも中にはあるに違いない。簡単な味の説明はあるのだが、調味料なのでそのままで食べる時、煮たり焼いたりと加熱する時の味の変化はどうなのか、食材別の違いなどについてももう少し説明があったら購買意欲が倍増したかもしれない。
例えば、ヨーロッパの料理についての本を読んでいると、詳細にわたって調味料を指定してくることがある。イギリスのお菓子の本なんてお砂糖の種類がうるさいくらいにくどくどと書かれていたりもする。レシピ側からアプローチすると、逆にはっきりとした調味料の指定ができるのかもしれないが、調味料側からだとちょっぴりぼんやりなところが残念。とはいえ、巻末のレシピが絶賛至極な使い方なのかもしれないので、購入の際にはぜひ作ってみたいと思った。
関西のお宅では何種類ものソースがストックされているというし、私の実家ですらお醤油は数種使い分けている。友人は味噌に凝っており、郷土料理の再現などを楽しんでいる。調味料は、それ一つで「私色に染めてあげるわ」的な魅力もあるが、混ぜ合わせることで生まれるハーモニーもあるわけで、それを発見していくことも料理の楽しみの一つかもしれない。
まずはいくつか購入して、ドレッシングレシピも開発したい。マンネリ気味のスープにそえる隠し味も欲しいところだし、この頃お気に入りの刺身のアレンジものも楽しみだ。
この頃はマルシェにも小規模生産で有機、無添加、オーガニック加工品が並ぶことが多く、週末は貴重な野菜が手に入る青空マルシェが最近のお気に入りだ。ふと「逆にマルシェこそがグラホのライバルになるのかもしれないな」と思った。自分の「好き」を知っていて、味の基本がある人であれば、著者のようにお気に入りを選ぶことは可能だ。そんな人たちがSNSなどで発信すれば、まさに著者と同じ様な活動をすることになる。各自のライフスタイルに合わせた調味料を選ぶには、まずは自分自身を納得させることが何より大切だ。「この味なら使い倒せる!」と自分が納得、そしてリピート必至な調味料に出会えたら、きっと料理の幅は広がるのだろう。なので、グラホはそのお手本を示す存在とも言えるだろうし、美味しいものはみんなが大好き。料理を楽しみ、食事を美味しく頂きましょう!