Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#471 断捨離にドイツ式を組み合わせる~「浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ」

『浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ』サンドラ・ヘフェリン 著

断捨離で生活を整えたい。

 

今年から家計簿を替えた。

 


まず最初の一か月を終えた感想だが、自分のお金の流れがものすごくクリアになり、浪費や無駄や見栄がハッキリした。今までもExcelとノートを使って家計簿をつけてきたわけだが、記録するだけではなにもならない。しっかりと現状を把握しなくては一つも前進しないのだ。

 

どうしてこんなにお金を使っているのだろう。どうしてこんなに買い物しているのだろう。項目ごとに家計を把握したことで、私の浪費は「後で必要」と思うものをセール時にまとめて購入していることに大きな原因があることがわかった。どうせ後で使うなら安い時に買い置きしておけばいい。それがお得じゃん!と考えていたが、まさにそれが家計を圧迫し、浪費に拍車をかけている。特に1月はキッチングッズの福袋とか買っちゃったしな。

 

羽仁もと子さんの本にもあるが、家の中が雑然として片付かないのは物が多いからだ。それを片付けるために収納グッズを買ったりするのは本末転倒。置く場所がない、片付ける場所がない、もっと便利に収納できる、と便利グッズを買い足していけばもちろん物が増えていく。だから我が家も物が溢れている。

 

この3連休、まずは物を減らすことにした。今度こそ本当に断捨離だ。まず手持ちの書籍の中から断捨離関連のものを探したところ、本書がひっそりとKindleの中に収められているではないか。そうそう、ドイツといえばずっと気になっていることが一つある。それは今使っている洗剤のことだ。

 

 

ここ数年このメーカーの食器用洗剤、洗濯洗剤、お風呂掃除用洗剤を使っている。ドイツ製で微生物が排水パイプの汚れを消化し、ニオイや汚れを除去してくれるというもので確かに長く使っていると汚れが減ったように感じられるので効果はあると断言したい。製品にもGrüne Hexeとドイツ語が書かれているし、エコフレンドリーな容器といいいかにもドイツ風なのだが、その本国での情報が探せずにいる。効果を感じるようになり、本国ではどのような使い方をしているのだろうとドイツのホームページを探してみたのだが見つからなかった。ドイツ人にも「知らん」と言われてしまったし、今は割と手に入りやすいフロッシュとどこが違うのか是非とも比較検討したいのだが、正体がいまいちよくわからず。

 

ところでドイツの方々のきれい好きは有名で、それを知ったのは門倉タニアさんの本がきっかけだった。そういえば幼い頃に読んでいたドイツのお話でもいつもお掃除していたなーと思い出す。窓掃除が大切だとか、キッチンに何も置かないとか。掃除がある意味「哲学」のような印象を受けた。

 

そこで、羽仁さんのライフスタイルに近づけるべく、この連休で断捨離を決行すると同時に、きれい+便利なキッチン作りにドイツ式を参考にしようと考えた。ドイツの主婦の裏技とか、ものすごそうだなーと妄想しつつ読み始める。

 

本書は2000年に出されたものを電子書籍化したものなのだが、まず誤字の多さにモノ申したい。出版社さんには是非とも改善して頂きたいと思う。1冊の本に複数の誤字脱字があるというのはどうだろう。確かに著者が外国人だと読み手も1つくらいの誤字脱字なら読み飛ばす。だが著者の日本語は流暢で、それだけに誤字脱字が目立つのだ。そもそも日本で出版する以上、出版社がしっかりと日本語をチェックすべきではないだろうか。内容はものすごく良いのにとても残念。あの誤字だけで読者の気持ちが離れていってしまうとつい心配になる。

 

さて、ミュンヘン出身の著者は、日本人がイメージする几帳面で頑固で冷静に物事を把握するまさに「これこそドイツ人!」らしさを前面に、ドイツの堅実さを書いている。浪費が止まるというより、生活を見直すというほうが良いかもしれない。どうやって倹約するのか具体例を挙げて説明してくれているが、例えば「シャンプーを水で薄める」とかはちょっとどうだろう・・・な所もあるけれど、その他洗剤の使い方などに関しては学ぶべきところが多かった。食器や鍋の素材など、環境や人体に有害なものを徹底的に排除しようというドイツ気質がものすごい。

 

何よりも部屋を小綺麗に保とうという意思の強さが日本なんかとは全く違うことに驚く。見た目が片付いているようでも、ちりや埃を許さない。そしてそれを見落とさない。きれいな状態が脳裏にインプットされているからだろう。すでに習慣になっているからか、さっと動いて片付けることが身についているのだと思う。ヨーロッパは思った以上に北に位置しており、日本よりも日照時間が短い。そもそも緯度で言えば、ロンドンは稚内よりもずっと北に位置している。ドイツはもっと北にあるから、北欧と感覚的には変わらないのかもしれない。家の中で過ごす時間が長ければ長いほど、その空間を心地よい物にしようという意思が働くからだろうか、ドイツのお片付けはものすごく気合が入っていた。ドイツにはデンマークのヒュッゲを徹底的に楽しんだるわ!という気合と気迫があった。

 

断捨離前にモチベがあがる。とにかくドイツ式は生半可なやり方では通用しないような風がある。本書を読み、片付いた環境にいることで必要以上を求めなくなるのかもしれないと思うに至った。とすると、連休に断捨離をうまく行えば、私の家計管理もプラスに転じるかもしれない。例えば、私は年始にビタクラフトの福袋で鍋などなどを購入したのだが、中にはそんなに必要ないよね、というものもあった。持っているものもあった。でも「使い勝手が良いし、あとで使う日が絶対に来る」と購入に踏み切ったが、きっとドイツの堅実な主婦ならば「これは持っているから要らない。必要になった時に買えばいい。」とそこにお得さを感じなかっただろう。2つもいらん、と目もくれなかったかもしれない。

 

巻末にはおばあちゃんの知恵袋のドイツ版みたいなものがある。ヨーロッパと日本では気候も生活様式も異なるが、きっと日本でも実践出来ると思ったものをピックアップしてくれたのだろう。面白いネタがいくつもあった。

 

それにしても、誤字脱字。良い本なので是非修正してあげて欲しい。ドイツのライフスタイルにますます関心が湧いてきた。