Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#434 冬に食べたいお料理がいっぱい~「à table SHIMA vol.1 冬号」

『à table SHIMA vol.1 冬号』別冊エッセ

志麻さんの冬のお料理

 

もうすぐクリスマス。今年もどこにも行けず、年末年始はひっそり自宅で過ごす予定。この間いろいろなセールの折に大量に書籍を購入してしまったので、一つ一つ大切に読むつもり。

 

この間仕事で使う書籍を購入しにいった際、陳列台の上に山積みされていて、つい手に取った一冊。雑誌のコーナーにあったけれど紙質もしっかりしていて、何よりも掲載されているレシピがクリスマスにぴったりだったのでつい購入してしまった。

 

a?tableSHIMAvol.1冬号(別冊ESSE)[タサン志麻]

 

今やトップ料理家の志麻さん。書店に行けばレシピ集もたくさんあり、レシピ本以外にも雑誌やテレビでも大活躍。志麻さんがここまで大人気となった理由は、きっと敷居の高いイメージのあるフレンチをご家庭でも楽しめますよ、と実践をもって教えてくれたことにあると思う。

 

志麻さんの作るフレンチは、きっとフレンチのプロから見れば亜流なところもあるだろうし、手厳しい意見もあるかもしれないと思う。でも普通の家庭のキッチンで料理をする私たちにはエポックメイキングな出来事だった。だって難しいと思っていたもの、おうちで作るものではなく買ってくるものだと思っていた料理が、以外にも簡単にシンプルな材料で出来てしまうなんて!

 

プロが登場するお料理番組もたくさんあるけど、一線を画すのはスタジオのキッチンで作るプロに対し、一般家庭のキッチンで作る志麻さんでは「手に届く」感が全くことなる。視聴者はプロの用意する具材もきっと高級食材使ってるんだろうなと思って番組を見ている。キッチンツールも何万もする鍋使ってるんだろうなとプロとアマの壁を感じつつ画面を見ている。差をはっきりと感じながら見ているから、「きっとこのレシピ、お店では作らないようなものだろうな」とか「家庭用だからレストランの味にはならんだろうな」という意識が抜けないので、簡単そうだけれど作ってみようという気にならないことが多かった。

 

一方で志麻さん。家政婦さんとしてよそのお宅に訪問して、そこにあるもので作っていく。リクエストにもしっかりこたえて顧客満足度も高かったらしい。だからこそ「伝説の家政婦」という別の名が付いたわけだし。きっと訪問したお宅でいきなり「私、ヴィーガンです」って言われても志麻さんなら何品目も作ってしまうような気すらする。おなじみのスーパーの値札が付いていて、コンビニで売っているような調味料でレストランに並ぶようなメニューが作れてしまうことを目撃してしまった視聴者は、きっとスタジオのプロからよりも志麻さんからコツを教わりたいと思うのではないだろうか。

 

私はテレビをほとんど見ないので志麻さんのレシピ本にもなっているような番組を見たことがない。でも検索するといろいろなレシピがあがってくるし、実際に作ってみたという人の数も多くて「私も作りたい!」という気持ちになってくる。プロフェッショナルの時もそうだったけれど、実際に料理を作っている志麻さんの姿を見たら、とにかく圧倒されると思う。料理したくなるし、なにより食べたくなってしまう。

 

動画ならそんな志麻さんのすごさが簡単に伝わるけれど、本はなかなか難しくて作っている志麻さんも見たいし、お料理も見たい。それが上手に伝わるのが本書のよい点だろう。志麻さんのご自宅で作る、家族のお料理で温かさに満ちているのもステキ。

 

本書は冬のメニューを特集しているので、オーブン料理が充実している。ラザニアやパイなど冬に食べたいこってりとした洋食メニューもお手軽に仕上げる方法や、上手に盛り付ける方法なども紹介されていてかなり使えると思った。大判の書籍で写真も大きくてずっと見ていたくなるような本だ。いや、雑誌か。

 

去年に続きクリスマスも年末年始も帰省を控えることにしたけど、お料理で心温かくいなくちゃね。