Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#428 味噌味けんちん汁への第一歩となるのでしょうか~「はなの味ごよみ 8」

『はなの味ごよみ 8』高田在子 著

良太、一歩リードか。

 

この頃、電車の広告にこれが出てくる。久原と言えば、茅乃舎さん。心がどうも時代小説にとらわれすぎていて、この広告をみても「けんちん汁…」と、すっかりどっぷり本シリーズにはまっており、この小説が終わってしまったらどうなるんだろう?と心配になってきた。

 

 

で、あごだしです。茅乃舎さんといえば出汁が有名で、あごだしも販売しておられる。それが滅法おいしいのでよく利用させて頂いているのだけれど、この出汁もかなり便利そうで年末年始に多用できるのでは?と思っている。今年も年末の帰省は自粛しようと思っているので、一人でおせちでも作ろうかしら。

 

さて、はなと良太です。二人は鎌倉に居るときに味噌味のけんちん汁を作り、それが思い出の食べ物となっている。雪の降った日に良太は竹で作った灯篭を送り、そのままはなのもとを去っていったのだけれど、再会した今では「また一緒にけんちん汁を食べよう」というのが二人のモチベになっているようだ。

 

8巻目で事態は大きく動いた。そもそも武士の婚姻には同等の身分同士である必要があったようで、良太とはなのように身分違いの結婚となる場合には、女性が夫になる家と同格のもとへ養子に行くことが必須だった。それがうまくまとまらなければ、一切のことが動かない。

 

はなとの出会いで心を入れ替えたというほどではないけれど、良太は確実に成長したようだ。人とのかかわりあい方や、業務を進める上での心構えなど、周りからもそれは認められていたようだ。その成長ぶりがはなとの関係においても正しい方向に進みつつある。7巻では迷走しすぎているきらいがあったが、8巻ではぐっと大人に近づいた。

 

 

良太はここで大きく弥一郎を引き離すわけだけれど、展開が急すぎて弥一郎の気持ちのやり場が心配になる。はなが喜楽屋にきてたった1年余りとはいえ、周りもすっかりはながいてこその喜楽屋という雰囲気が出来上がっており、なかでもおせいさんがはなを大切にする思いの強さがこれからどうなるかが気になるところ。

 

さて、手元にはあと1冊を残すところ。心配なのは、おせいさん。10巻で完結らしいので続きがとてもとても気になる。