Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#384 好きなものを集めに集めた台所~「食いしん坊な台所」

『食いしん坊な台所』ツレヅレハナコ

台所道具。

 

以前に料理本を読んだハナコさんの台所道具本。

 


もともと料理関係の編集のお仕事をしていたこと、結婚して数年後にご主人が癌で他界されたことなど、ハナコさんのプライベートエピソードまで語られていて、そのストレートな語り口に一気にファンになってしまった。エッセイの中に台所愛がぎっしり詰め込まれている楽しい一冊。

 

とにかく台所がお好きで、道具もたくさん。海外の鍋、ティーポット、お皿などなど見たことも無いようなお道具の写真を見ていると、おしゃれなイメージの「キッチン」というより、まさにお料理するための「台所」というイメージがぴったりだった。写真を見る限りは本当に一般住宅の普通の台所。そこに小瓶が積まれ、へらやらターナーやらがものすごい量並んでいる。わかります。欲しくなるんですよね。どの分野でも興味のない人には大して差のない物をいくつも揃えているように見えるけど、使う側は全然違う!とこだわり部分における「差」を大声で叫びたくなる。

 

ハナコさん、実は旅行もお好きでトルコや北アフリカなどどこでも訪ねていく。

 

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トルコはものすごく紅茶を飲むというのは他の旅行記などで読んだことがあり、チャイスタイルで飲むという予備知識はあったものの、こんなティーポットで淹れるとは知らなかった。その名も「チャイダンルック」というのだそうだ。お写真を拝見する限り、ものすごく使い込んでおられるようだ。やっぱり物は大切に使われてこそ味わいがでる。

 

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こちらはハナコさんのインスタからお借りした写真で、テルビエという鍋。スープをよく食べるトルコでは、この鍋でスープ仕上げを行うとのこと。たしかにこれは使いやすそう。

 

ハナコさんの台所は、もちろん作家さんの名のあるものもたくさんあるだろうけれど、ノーブランドでハナコさんが「いい!」と思ったものが基本。だからものすごく高価なものから数百円で購入できる海外のグッズもたくさんある。それは道具を選ぶ自分なりの基準、自分が必要と思える大きさなども大事だけれど、物を見る目が肥えているからこそ自信を持って「いい!」と思えるのだろう。

 

本書を読んで、「そうか、買っていいんだ!」と思った。キッチングッズ、欲しいものはたくさんあれども「スペースが」とか「お値段が」とか、何かと躊躇してしまったけれど、しっかり使えばいいんだよね!と勇気をもらった感じ。愛を込めて使い続ければ良いのだ!

 

自分の好きな空間はじわじわ見極めて作っていくのが楽しいと思う。ハナコさん、今はおうちを建てたらしい。その書籍も近く購入したいと思っている。