Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#370 ジェームス・ボンドが出てきてもいいかも~「タックスヘイヴン」

タックスヘイヴン橘玲 著

シンガポールプライベートバンクから大金が消える。

 

この間に続いて経済小説

 


今回の舞台はシンガポールで高校時代の同級生3人が事件に巻き込まれるという話。主人公3人なので「男2女1」というお決まりの構図で、もちろんちょっぴり恋愛も絡んでいる。一人は海外でバンカーとしての経験を積んだ後に裏の世界の金融もかじっている古波藏。そしてもとは大企業のエンジニアだったが、今は退職して翻訳家として口に糊をする牧島。

 

ある日、シンガポールで金融関係の仕事をする男が自殺した。遺書もなく、身分がわかるものを身に着けていなかった。警察が到着し、調査の結果、日本人の北川という男だと言うことがわかる。日本大使館は遺族に連絡を取りシンガポールに来るように伝えるのだが、その妻というのが3人目の主人公である美人の同級生の紫帆だ。

 

どうやら北川の死は自殺ではないのではないか?という可能性がいろいろな事件からわかってくる。まず、紫帆は英語ができないからと牧島にシンガポールへの同行を頼んだ。シンガポールについた2人にスイスのプライベートバンクから連絡があり、ある条件を提示しつつ飲むか飲まないかを即答しろと言う。牧島は英語はできるが、金融についてはよくわからない。そこで古波藏に連絡を取り、そこから3人で北川の死に向かい合っていくというストーリー。

 

今回は金融と政治の二本立てのような内容で、謎解きの中でK国の人が出て来たところで話のオチが見えてしまった。割とはっきり予測できる流れだったように思う。恐らくこれが前作のように個人レベルでのお金の流れだったら「なるほど」と学びながら読み進めることができただろうけれど、大きな経済や政治の流れが絡んでくると2016年の作なのでなんとなーく当時の世の中の流れからGuessが利く。

 

タイトルが「タックスヘイヴン」なので、個人が重い税金から逃れる裏技がテーマかな?と思いきや、どちらかと言うともう少し国際的な、ジェームス・ボンドが出てきそうな感じの話になっている。007もヒロインでるし、なんとなく似てるかも。

 

ところで、経済関連だったりハードボイルド系の小説を読むと、女性の服装がなぜこれ?と思うことが多い。きっと男性目線でのステキ女性のイメージはこういうのなのかな?と思うのだけれど、ちょっと流行とも違うところが面白い。

 

経済小説を2冊読んでみたら、割と面白かったので他にも読みたくなってしまった。いやいや、アガサはいつ読むんだ!!!