Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#316 なんと夏しゃばけ!

 『てんげんつう』畠中恵 著

しゃばけシリーズの18弾目。

 

朝ぼーっと電車に乗っていたら新潮文庫の吊り広告が目に入った。なんと今年は夏にしゃばけシリーズの文庫本が出るとある。毎年12月に出る文庫版を楽しみに楽しみにしていて、まさか夏に出るとは想像もしておらず、電車の中で一人で興奮していた。

 

ということで、夏にエアコンを効かせた部屋で18弾目のしゃばけシリーズを堪能できるという幸せを満喫。今年はしゃばけシリーズの20周年とのことで記念の夏シリーズなののかもしれない。とすると、年末にも次の作品が読めるのかな?とワクワクしてしまう。それにしても20年とは驚きだ。

 

今回も若旦那は律儀に寝込んでいて、兄やの仁吉と佐助、妖たちが若旦那の布団の周りでのんびり若旦那の健康を見守っている。18弾目でも新しい登場人物があり、今回の目玉はタイトルにもなっている「てんげんつう」だ。

 

「てんげんつう」は漢字で天眼通と書くそうだ。別名は千里眼千里眼というと遠くまで見渡せる人のことかな?と思っていたのだけれど、実はなんでも見通せてしまう能力のことらしい。未来や過去も見えてしまうので、予知能力を駆使して助言もできる。他にも心の中が見えてしまうので、トラブルになることもあるのだとか。そんな「てんげんつう」が長崎屋の離れにやってくる。

 

他にも天狗や守狐やいつもの面々が離れの中で走り回っている。そして相変わらず薬が絶えない若旦那の生活もそれで「ああ、いつもの長崎屋だな」と思わせるのだけれど、この18冊の中でいったい何年の月日が経っているのかな、と思う瞬間もいくつかあった。アニメ同様、長く続く作品の主人公は年を取らない。のび太もルフィーもずっと同じ年。しゃばけもそんな気がしていたのだけれど、於りんちゃんの登場で「ああ、時は流れているんだな」と気が付かされた。

 

於りんちゃんは妖が見える。幼い時に長崎屋に来た時から付き合いは続いており、妖が見えることから若旦那の許嫁となった。子供だった於りんちゃんもずいぶんしっかり話すようになっているから、きっと数年は時が流れているのかも。

 

それにしても夏のしゃばけも良いものですね。17弾からKindle版を購入しているのだけれど、いつかまとめてKindle版を購入したいと思う。今持っている文庫版もちゃんと大切にとっておこう。