#277 北海道グルメの小説、空腹時に読むべからず
『弁当屋さんのおもてなし 2』喜多みどり 著
ユウと千春、少し近づく。
北海道の食が満載の小説、2巻目も読んでみることにした。今回も「くま弁」の常連客が持ち寄る問題をユウと千春が紐解いていく流れになっている。ストーリーよりは食の方ばかり気になってしまい、今ものすごくフライが食べたい。
好みが分かれるかと思うのだが、たまにフィッシュバーガーが食べたくなる。たいていはモスバーガーに駆け込むのだけれど、海沿いの街だとオリジナルのフィッシュバーガーがあったりしてかなり嬉しい。
白身魚のフライってどうしてあんなに美味しいのだろう!淡泊でありながらもジューシーで満足感が高い。鯵フライならエンドレスで食べられそうな気分になるし、鱈のふわふわしたフリットも美味。
本書に登場するのはなんとホッケのフライだ。北海道のホッケは東京で食べるホッケとは到底同じものだとは思えないほどで、ただ焼いただけというホッケが油ののった贅沢な焼き魚となる。しかもあんなに美味しいのに安価だというのも素晴らしい。いつも焼きホッケばかり食べていたのだが、思えばフライもあったな、と思い出した。
くま弁のお得意さんに占い師がいる。千春も雑誌に掲載される彼女の占いを楽しみにしていた。今回彼女が食べたがったのがホッケのフライ。実は占い師になる前、助産婦として北海道の離島などで働いていたという。その当時、お世話になった方に作ってもらったホッケフライ。その味が懐かしいという。キーはフライそのものではなくウスターソースだったのだが、市販のウスターソースで試したもののあの時の味を再現することができなかったという話だ。
今回もあれこれ美味しそうな北海道グルメが登場する。お菓子も一つ登場するのだが、それがこちら。
「じゃがいもコロコロ」というお菓子。そう、北海道銘菓もあれこれ食べたいものが多すぎて「北海道行きたい」という気持ちがなかなか収まらない。困ったぞ!