Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#130 そろそろジュエリー特集の時期ですね

 『七つ屋志のぶの宝石匣 12』二ノ宮知子 著

質屋の跡取り志のぶはまだ高校生ながらも宝石の「気」がわかる。

 急に寒くなってきた今日この頃。楽しみにしているマンガの続編が出ていたことを知り購入した。気分転換にはマンガが一番。今回も楽しく読んだ。

 

個人的な好みかもしれないけれど、惚れた腫れたが中心のロマンスがこれでもか!と前面に出てくるストーリーは結構苦手である。マンガでもなにか「学んだ」と思えるようなものだと読後の満足感も大きい。故に『のだめ』も楽しく読んだし、この作品も毎回「おお!」と思いながら読み続けている。

 

とにかく宝石というテーマが何より興味深い。大人になって良かったことは、自分の稼いだお金で自分で選んだものを好きに買えるようになったことで、好きな音楽、好きな本、好きなファッションを手に入れられるようになって初めて趣味の世界を広げられるようになった気がする。学生の頃は1000円の本を買うのに躊躇したものだったけれど、今は許容できる金額が増え、むしろ読む速度と購入ペースが反比例しているくらいである。宝石も同様で、最初は両親に買ってもらった誕生石の指輪からスタートし、そのうち自分で好きなデザインや素材を選ぶ楽しみができた。

 

ただ、宝石はとてもとても高いものも多く、手のひらに乗る程度の指輪で車1台買えてしまうものから家買えちゃうよレベルのものすらある。年末になると女性誌は一斉にジュエリー特集を出してくるのだけれど、世の中には数百万円の時計やジュエリーをネギや大根買うみたいにさらっと買えてしまう人もいるんだなあとその境遇を羨ましく思いつつも、買えないけれど毎年必ずチェックしてしまう。ネギや大根の値段もしっかり吟味する庶民故、そう簡単には手に届かないからお金を貯めて月単位や年単位の購入プロジェクトを立てるのだけれど、買える金額が貯まっても金額に慄いて購入するのにも度胸がいる。

 

とにかく、ジュエリーとはかなりの思い入れの詰まった宝物なわけである。素人は色やデザイン、あとは誕生石だったり、石の持つ意味を購入する際の考慮条件とすると思うけれど、中にはブランド名一択という人もいるのかもしれない。このマンガに登場する顕定は良家の出でありながら、幼いころに一族が消えたという過去を持つ。祖母が日ごろ付き合いのあった志のぶの祖父が営んでいた質屋に顕定を預けて以来、家族の行方は知れない。そして一族に言い伝えられていた赤い宝石を探すべく、高級ジュエリーメゾンのデュガリーで働いており、イケメンで成績が良いという「のだめ」で言えば千秋さまみたいな人である。ジュエリーメゾンの外商さんは資産家の自宅にジュエリーを持ち込むのだけれど、デュガリーのデザインを見ているとやっぱり「普段着のジュエリー」のレベルが違うんだ!と当たり前のことに感心してしまった。

 

高級ジュエリーに身を包む人など私の周りにはそういないので、このマンガから得られる情報はいつしか貴重なものとなっている。最近はコロナで着飾ることへの関心が薄れているので、久々に刺激になった。