Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#112 「レシピを見ないで〜」シリーズを写真で確認したいなら、この本が買い!!です

『「使いきる。」レシピ』有元葉子 著

写真入りで道具や食べ物の扱い方を説明してくれている良書。 

 

連休最終日、結局何事もなく、どこに行くこともなく、巷はgotoで開放感が溢れたせいか各地賑わっていたらしいけれど、本当に何もなくすーっと過ぎていく。

 

リモートワークで環境の変化が必要になったことの一つに「パソコン」があると思う。日頃携帯さえあればちょっとした検索も可能だから、どんどんとパソコンから遠のく生活が続いていた。ところがコロナ禍下でリモートワークという新しい働き方が登場、会社からパソコンが支給されていて、日頃出張などでも支給パソコン以外の方法で会社のシステムにアクセスできないというのは本当に一握りの大企業のお話だ。社員数が少なければリモートにあたり会社が準備してくれるようなこともあるんだろうけれど、急に降って湧いたリモートワークはほぼ自前のパソコンに会社指定のシステムを導入するというケースかと思われる。私もこのパターンで会社のシステムを自分のパソコンにインストールしたのだけれど、これがまあ日頃から悪評のあるもので、重いわ使い難いわで難儀している。

 

今手持ちのパソコンは3台あって、1台は仕事で使う外国語のOSなんだけれど、これがリモートワークでいきなり負荷がかかったせいか春に突然動かなくなってしまった。何をしてもエラー画面となってしまう。(ちなみにSurface Pro)残りの2台を交互に使っているのだが、1つは年代もののMacbook Airで12インチの小さいやつ。今はこのサイズは廃盤となっているので小ぶりな感じがかわいらしく今でも良い相棒である。そして仕事で使っているのがこれまたSurface Proなんだけれど(OSは日本語)会社でディスプレイを2面使って作業することに慣れてしまったせいか、12インチの画面1枚で作業するのと疲れが何倍にも膨れ上がる。そこで15インチくらいの大きなものが欲しいなぁとHPあたりのサイトを見ているのだが「在庫なし」の表示が続いている。きっと同じような気持ちのサラリーパーソンが大画面のものを欲しがっているのだろう。

 

画面が大きいと電子書籍も見やすくなるだろう。最近有元さんの書籍が199円ととんでもないサービス価格で販売されていることを発見。数冊購入したのだが、これも大きな画面だと本を開いているかのように画面のレシピも確認しやすいというものだ。料理関連の書籍は紙の書籍で購入するという信条があるのだが、廃盤になってしまったものなどは電子書籍となってしまう。小説などとは違い、料理の本はパラパラめくりながらあれこれ考えたくなるもの。やっぱり紙がいいんだよなーという思いは変わらずとも、電子書籍で購入したものは出来る限り楽に使いまわしたい。

 

この本も199円のKindle版で読んだのだが、「この本は絶対後で読み返したくなる」と確信したので余計にパソコン環境を改善しようと意欲が湧いてきた。で、今はもう大画面ノートパソコンもいいけれど、iMac買ってしまおうか!と一気にデスクトップへと俄然前のめりになっている。しかし待て。使いきる、だ。

 

この本は「使いきる。」という本の続編的な扱いである。

 食材は皮も葉も美味しく頂くということの他、キッチングッズなどもしっかり手入れをして大切に使うということ。むしろ「捨てない。」とタイトル買えてもいいのでは?なくらいである。表紙のミトンもお気に入りのイタリアンリネンのものを何度も手入れして使っておられるのだそうだ。穴が開けば布をあててまた使う。パッチワークみたいでかっこいいけれど、これは使い込んでいるからこその風合いなのだろう。イギリスでは肘や膝が薄くなったところにパッチワークのようにあてを施すのが普通らしく、ロイヤルの方でも何十年同じコートを着ていたりするとのことだ。ファーストフード、ファーストファッションの登場で生活が豊かになったような気になっていたけれど、実は無駄が増え、資源を無駄にしているのかと思うと流行に乗っかることが全てではないと考えさせられるようになった。

 

ところで、最近有元さんの本が好きで何冊も読んでいるけれど、「レシピを見ないで作れるようになりましょう」シリーズが特に好きだ。 

 

この3冊のシリーズの中でも「出汁のとり方」や「野菜の皮の食べ方」など、昔は当たり前だったことをもう一度おさらいとして掲載されている。ただ、文章がメインなので読み手次第で「使える本」にも「使えない本」にもなる。知識としては知っているけれど実際には無経験という人が、たまに変に強気であれこれ批判することケースに出くわすことがある。ネットで調べたり本を読んで知識としては知っているけれど、実際には経験値ゼロというパターンだけれど、こういう方にとってもこの「レシピを見ないで」シリーズは「使えない本」に分類されるんだろうなと思う。

 

でも、シリーズ3冊で料理に開眼し、一歩一歩前進している人にはこの「使いきる。」レシピは一目瞭然で謎がとける1冊であること間違いない。

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有元さんは何度も出汁の大切を説いている。というより、今や出汁入りの出来合いのものが多くでているし、出汁ってなに?な人もいるのだろう。だから、この本では写真入りでかつおだし、いりこだしのとり方を紹介している。他の本では文章で詳しく説明しておられるのだが、有元さんの場合は量が半端じゃないので、実際どんな感じだろうと想像しにくかった。例えばかつおだしは1袋のかつお節を一気に使うとのこと。1袋といっても容量はいろいろ。これは100gだそうだけれど、あの軽量のかつお節である。上の写真のようにやっぱりとんでもない量だった!

 

あとオススメは包丁の研ぎ方が出ていること。プロの監修のもとに写真入りで丁寧に紹介されていておすすめである。動画なんかよりもポイントがわかって本当におすすめ。今まで自己流で包丁を研いできたけれど、砥石の面を整える用の砥石があることすら知らなかったので、早速砥石用の砥石を購入した。ちなみに今愛用している包丁は無印良品のものである。いつかプロ仕様なものも欲しいけれど、上手に包丁が扱えるようになるまではお手入れ簡単なオールステンレスのもので、研ぎを失敗しても後悔しない価格でチャレンジしてみたいと無印に行き着いた。これがなかなか使い勝手が良い。重さも丁度良く愛着が湧いてくる。

 

たった199円でこれだけの知識量というのは素晴らしい。レシピも豊富なので大変役に立つ。私は「レシピを見ないで」シリーズを先に読んでしまったのだが、本当はこの本が先でその後にシリーズが出ていたはず。順序が逆だったら「ああ、この内容は知っているぞ」と思ってしまったかもしれないが、それぞれに補っている部分が異なっているのでまたお気に入りが1冊増え嬉しい限り。