#104 やっぱりフライパンは鉄だな、と確信した
『ふだんの洋食レシピを見ないで作れるようになりましょう。」有元 葉子 著
子供に人気のクリームシチューやハンバーグをもっとおいしくつくる方法など。
やっぱり料理の本は楽しい。
この本とともに『ごはんのきほん レシピを見ないで作れるようになりましょう。』も購入したのだが、表紙の色がライトな洋食から先に読んだ。そもそも日本で「洋食」と定義するものとはなんだろう。goo辞書ではとってもシンプルに
よう‐しょく〔ヤウ‐〕【洋食】
西洋風の料理や食事。西洋料理。⇔。
と、ある。つまり海外の中でも「西洋」と限定している。では、西洋とは?
せい‐よう〔‐ヤウ〕【西洋】
日本や中国などから欧米の諸国をさしていう語。欧米。泰西。
だ、そうだ。中国までも西洋に入ってしまうとは知らなかった。ということは洋食は日本以外の外国の料理全般ということになるのかもしれない。ただ個人的には今や中華料理という分野が確立されている中国や、スパイスたっぷりのタイやインドのお料理は洋食かと問われると、やはり出自をはっきりと「タイ料理」「インド料理」と言ってあげたい気がする。
さて、その洋食だがこの本では基本の料理として卵料理からスタートする。まず準備すべきは卵とフライパン。そのフライパンが重要だ。この本でのフライパンは鉄のフライパンを基本のフライパンとして語っておられ、その扱い方についてもちゃんと教えてくれている。そもそも有元さんの本にある道具にはそれぞれしっかりした理由があり、たまにご自身のデザインや監修したメーカーのものが出てくるけれど、それは有元さんのレシピや使い勝手に合わせて作ったわけだから、彼女にとってそれ以上の道具はないわけで、何よりも使いやすいわけだ。宣伝だとかいう評もあるが、その辺のことはちょっと考えればわかるはず。料理の腕には道具選びも含まれるというのが持論なので、そういう意味ではプロが道具のお話を公開してくれているのは大変貴重なものであるということを加えておく。
卵料理は難しい。お気に入りのゆで卵のスタイルすら満足にできないこともあるし、オムレツに至っては形が崩れることもたびたび。茶碗蒸しだってなんだかぽかぽかと気泡のあとが残っていたりとうまくいかない。卵料理はシンプルなだけに、見栄えを美しく、そして何よりもおいしく頂くには少しのコツが必要だということがよくわかった。有元家のスクランブルエッグは最後にバターを乗せるらしいが、私はあっさり目のふわふわタイプが好みなので少し研究してみたいと思う。
さて、今回の本でなるほどと思ったのはクリームシチュー。とろみをつけるのに小麦粉ではなくコーンスターチを使うという点には思わず「おお!」と声をあげてしまったほどだ。今までなかなかコーンスターチを利用する機会はなかったのだが、海外では「でんぷん」と言えばとうもろこしから作ったコーンスターチが主流だと思う。(地域差はあるかもしれないけれど)これからはとろみにはコーンスターチでいこうと思う。そういえば昔海外に住んでいた時、一時帰国のたびに片栗粉を買っていたことを思い出した。そうか、コーンスターチでいけるんだと。嬉しくなる。
それからハンバーグをオーブンでというのも驚きだった。片面だけを焼き、残りはオーブンで焼くという方法なのだが、中はふんわり外はかりっとジューシーなハンバーグが食べられるということ。
本当に基本も基本のレシピだけれど、知らずにいたことが多いなと思う。鉄のフライパンも手入れが大変と思っていたが、慣れてしまえば一生ものだ。始めた買った鉄のフライパンは柳宗理のものだった。一人暮らし用の小さなタイプで18センチくらいだろうか。長年使い続けるうちに、むしろ鉄のフライパンのほうが楽になってきた。
ただ、一つ告白すると有元さんのおすすめの道具で一つだけ苦手だったものがある。それは無水鍋。まだ海外に住んでいた頃で、一時帰国の際に日本橋のクラスカで購入し、大切に抱えて帰った。無水鍋とは生活春秋社が販売しているアルミ合金の鍋なのだが、日本の水ではよいのかもしれないが、海外では使い勝手が悪すぎた。またアルミの成分が溶け出して体に悪いなどという説があるが、メーカーが「大丈夫です。体に害を与えることはありません。」と言っていても、海外では水そのものの質が異なるため何となく不安感をぬぐいきれずにお蔵入りとなった。どんな状態になったかというと、洗った後に鍋に水を張りお湯をわかしてみただけで、鍋の中がみるみるうちに真っ黒になってしまったのである。
この夏はロッジのフライパンとde buyerのクレープパンを購入したにも関わらず、今またロッジの大きなサイズもしくはバーミキュラから新しく出たフライパンの購入を考えている。道具ばかり揃えることが良しとは言えないが、今使っているテフロンの代わりに一つと欲ばかりどんどん出てくるのはなぜだろう。ただ、キッチングッズについてはこれからは国産のものかヨーロッパやアメリカの老舗のものしか買わないと決めたのですべてしっかり大切に使っていくつもり。
ちなみに、こちらです。