Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#050 自農自作な生活

 東北の小さな村で自農自作で生活するいち子の話。

 

リトル・フォレスト(2) (ワイドKC)

リトル・フォレスト(2) (ワイドKC)

 

 

全2巻。そもそもこの作品を知ったきっかけは映画が先だった。


映画『リトル・フォレスト 夏編・秋編』予告編

 

Amazon Prime, Huleなどで見ることができる。

 

映画はほぼ原作に忠実だが、原作にのみあるシーンもある。あと原作の中の関連コメントなども面白い。

 

イラストはこんな感じで、料理のシーンなどは映画のほうが惹きつけられる気がする。

 

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主人公いち子のお母さんという人は、とても料理の上手な人でウスターソースヌテラのお母さんバージョンを作り、いち子はそれが商品として販売されていることを知らないから大人になってスーパーで発見してカルチャーショックにいたる。

 

今やグローバリズムで全世界がつながっているようなところがあるが、実は日本もすべてが同環境にあるわけではない。東京から地方に出るとスーパーで販売されているものの違いにも驚くし、東京では「買うもの」が、地方では「自家製が当たり前」だったりする。以前海外に住んでいる時、どうしても食べたいものがあった。それは、みたらし団子。もちろん売っているわけがないので手作りした。レシピを知ってしまえばちょっぴり手はかかるけれど作れないものではない。材料さえ手に入ればいいのだ。

 

いち子の生活はその材料を山から畑から調達する。畑はもちろん自分で手入れをしている。多分20代だとは思うけれど、母親はいち子が高校生の頃にいきなり家を出てしまったので一人で自農している。友達や近所の人とのふれあいも農作物のことが話題の中心だったりするし、お茶うけも自作のもの。

 

きっとこの作品を読めば自農自作を目指したいと思う人が絶対に出ると思う。きれいごとだけではなく、辛さキツさ大変さもしっかりかかれている。それでも自然の中で生きていくことが贅沢に思える部分が多い。

 

庭の手入れをして、少し野菜を植えて、くつろげるようにハーブなんかも植えて、地にしっかりと根づいた暮らしがなつかしい。