Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#047 本当に欲しいかどうかの価値基準がわからなくなった時に読み返したい本

 お金を貯める、お金を使う。ライフスタイルを見直すきっかけになる一冊。

お金の減らし方 (SB新書)

お金の減らし方 (SB新書)

 

とてもとても参考にさせていただいているブログに掲載されていた一冊。海外にいた頃、購入前に内容をチラ見できるサイトはあれども本の主旨をつかめないためブロガーさんの意見を大いに参考にさせて頂いた。Kindleで購入できる本は思っていた内容とは異なっていてもそれほど気にならないのだが、送料のかかる紙の書籍が期待値以下だと深く後悔してしまう。税金や送料を考え、欲しい本から厳選に厳選を重ね、幾日も悩んだ上で購入するだけに海外在住者の書籍の取り寄せはとても慎重になるものだ。同様に日本にいながらにして海外の書籍を購入する際も同様である。

 

今回もブログに助けられた。きっと自分で書店に立ち寄っても絶対にみつけることはできなかったと思う。この本は今後も何度も手に取ると思うし、実際読むことになるだろうなと思うような衝撃的なお金の本だった。

 

タイトルに「減らし方」とあるが、要は使い方のことである。何を買い、何を買わないか。本当に欲しいもののみを買えばいい。著者は心から欲するもののみを購入しているそうだ。ローンも組んだことはなく、毎月の収入のうち10%(ご夫婦お二人で20%)を好きなものを買うお金として生計プランを立てておられるとのこと。今では一般サラリーマンに比べて莫大な収入を得ておられるので毎月の10%はサラリーマンの年収以上となり趣味の世界を軽々と慈しむ余裕がおありだろう。しかしこの習慣は著者の助手時代から変わらないとのことなので、ご結婚された当初などはサラリーマンのお小遣い以下だったかもしれない。

 

必要 な もの という のは、 お金 が なけれ ば 必要 なく なる だろ う か?   お金 の ある なし に 関係 なく、 必要 だ と 感じる のでは ない だろ う か。 だからこそ、 無理 を し て 買っ て しまう ので ある。 必要 な もの は 贅沢 では ない、 贅沢 で なけれ ば 買っ ても 良い、 今 すぐ に 必要 なの だ から 借金 を し ても 良い、 という ふう に 考える。 僕 は、 その 考え方 が 間違っ て いる と 思う。

 

そもそも私はお金について間違った概念を持っていたようだ。働くことで収入を得、それを元手に生計を立てる。毎日の食べるもの、着るもの、光熱費に家賃、自己投資と称して本を買ったり、などなど。「必要」だと判断したつもりだが、本当に「必要」だったのだろうか。そこで著者は言う。「それは”世間体”を意識した、他社から見られることを前提としているから、無意識のうちに分不相応なものに手を出している」と。

 

著者は衣服にはそれほど関心がないらしくお金をかけることがないらしい。だが、本当に好きだったポルシェは購入されたし、庭に鉄道を走らせる夢の実現のために広い土地を購入するにあたってはなんのためらいもなくお金を出しておられる。財産の有無に関わらず、もし一介のサラリーマンが本当に本当に本当にポルシェを愛していて、それに乗ることが夢ならば、他を切り詰めてでも購入するだろう。著者もお金があるからポルシェを買ったのではなく、心底欲しかったから買ったのだ。つまり著者が言いたいのは、モノを購入するというのは心から欲するもののみを手にしろ、自分の価値観に照らし合わせてしっかりと吟味しろ、ということだ。

 

またお金の増やし方としてこんなことも仰っておられる。

 

お金 の 増やし 方 として、 さきほど 挙げ た どの 方法 よりも 有効 なのは、 実は 自分自身 の 仕事 能力 を 高める こと で あり、 もっと 簡単 な 言葉 で いえ ば、「 勉強」 で ある。 「勉強」 は、 けっして 楽しい もの では ない。 当たり前 で ある。 しかし、 勉強 する こと で お金 が 増える のは、 ほとんど 事実 だ と いえる。 統計的 にも、 これ は 簡単 に 証明 できる だろ う。

(中略)

お金 を 増やす 方法 の 中 で、 一番 確率 的 に 有利 なのは 仕事 を する こと だ。 できる かぎり、 若い うち に エネルギィ を 注ぐ こと。 そう する こと で、 しだいに 効率 が 高まっ て くる。 ほか の どんな 方法 よりも、 確実 に お金 を 増やす こと が できる はず だ。 失敗 する 確率 が 低い こと、 つまり 安全 な こと が、 仕事 の 特徴 で ある。   そして、 時間 が あっ たら、 自分自身 の 価値 を 上げる こと に 時間 を 使う こと。 お金 を かける 必要 は ない。 せいぜい 本 を 買う くらいの 投資 で 充分 だろ う。 講習会 や 教室 へ 通う 必要 は 全然 ない。 お金 を かけ ない と やる気 が 出 ない、 という 言い訳 を 自分 に する よう では、 なに を やっ ても もの に なら ない だろ う。   仕事 が 順調 で あっ ても、 常に 未来 の こと を 考え て、 事前 に 策 を 講じ て おく こと。 いつも 悲観的 に 考え、 次 の 手 を 秘め て おく こと が 大事 だ と 思う。

 

自分の効率を上げ、稼げる仕事をすることで収入の幅は広がる。そして「好きなこと=仕事」によりも、「上手にできること=仕事」にしたほうが効率が良い。そして費用対効果を考えると、手に職ともいえるなにかスキルを身に着けることが手っ取り早い。でも勉強となるとなかなか時間のやりくりが…、と二の足を踏む。好きなことならできるだろう?と言われても、結局自分は何がしたいのだろうか?と答えを得られない。

 

「 お金 が ない から でき ない」 という のが、 いかに「 言い訳 が まし い」 台詞 で ある か 理解 でき た こと と 思う。 なにげなく 口 に し て しまう 言葉 だ が、 これ を 聞い た 人 は、「 あ、 やり たく ない ん だ」 と 思え ば 良い。

 

「やりたくないんだ」に尽きるのだろう。思い切ってそこにお金を投じたいと思うほどの勇気が出ないのは結局そこまで好きではないから「やりたくない」ということ。

 

自分の価値観というものは、周りの影響でふらふらと揺れてしまうものであってはいけないということがわかった。著者は今まで購入したものを売ったこともないんだそうだ。手放したくなるようなものを購入していないから売る必要がないわけで、さらには売って稼ごうとも思わないらしい。

 

お金をどう使うかという書籍は山ほどあるけれど、この本は今まで読んだ中で最も説得力のある本だと思う。今後モノとどう付き合うべきかがよくわかったし、断捨離とかミニマリストとかとはまた違う「本当に欲しいもの」との付き合い方がわかる良書だと思う。定期的に読み返すことにしよう。