Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#594 かっこいい暮しのお手本に出会ってしまいました~「自由にたのしく年を重ねる 衣食住のつくりかた」

『自由にたのしく年を重ねる 衣食住のつくりかた』石原左知子 著

すっかりメンター。

 

あっという間に休みも終わり、ああ9月も終わりだなあとしみじみ思う。家の中を片付けるというのは思った以上に長丁場になりそうで、その時は「さあ、終わったぞ」と思うのだが、夜になって湯船につかりながら「そういえばあれも処分しようかな」とまだまだ延長線上にあることに気づかされる。環境作りとはその繰り返しなのかもしれない。

 

私が目指している所はミニマリストではなく、「ガラクタ」を処分して、頭の中も、心の中も、目に見える環境もクリアな生活だ。不便を我慢したいとは思わないし、日々満喫し、心身ともに楽しいと腹の底から感じられるような毎日を送ることだ。

 

昨日読んだ本が何か頭のどこかに引っ掛かりを残したようで、引き続き同じ著者の本を読みたくなった。Kindle Unlimitedで読める本があと1冊。早速ダウンロードして読んでみる。

 


本書は昨日読んだ本のちょうど1年後に発売されており、よりライフスタイル全般について書かれており、広く浅いようで実に深い。1冊目で触れられていない内容は「食べること」だ。仰っていることは本当に普通のことで、何も著者だけが語っているわけではないようなことが多い。むしろ既存の情報にすぎないのだが、著者の語り口調(というか文体)にものすごく納得させられてしまうのはなぜだろう。

 

例えば、蒸籠で蒸し野菜を作ってみよう!おいしいよ!な内容だったり、目でも愛しもう!と食器やデコレーションを工夫する。本当に本当に本当に、繰り返し言うが本当に!今まで多くのライフスタイルや料理関係の書籍で目にしてきた言葉たちだ。それが著者が語るとものすごくリアルに想像できるというか、著者のダイニングの様子を遠くから見ているような気持ちになるというか、説得力がすごすぎて「そうか。こうせねばならぬ。」と自分も軌道修正が必要だと強く感じさせるような力がある。一言一言に滋味があり、読み終わる頃には自然に背筋が伸びたような気分だった。

 

そしてこの写真ですっかり心を打ちぬかれ、今「メンター見つけた!」な気持ちになっている。

 

もしかしたら私が今まで知らなかっただけかもしれないが、このリンゴの並べ方や器の感じにふわあああああああああああああああああああああああああああ!となった。ライフスタイル関連の書籍を読むようになってまだ数年、きっと似たようなカット方法でフルーツを飾るようにサーブする情報は他にもあったかもしれない。初見のインパクトの強さたるや、ここ最近ではまれにみるほど。

 

著者はご主人が50歳になった時、やっておきたかった事を尋ねたそうだ。ご主人は「海外に住みたかった」と仰ったそうで、じゃあいってらっしゃいよ、と送り出す。よって今は数か月おきにご主人がお戻りになる以外はお一人で暮らしており、ご自宅は職場も兼ねている。

 

2冊を読んでの感想だが、きっと著者はサバサバ系でむしろ厳しいタイプなのかもしれない。大股で真っすぐ目的地を目指し、決断も早い。好き嫌いの基準を持っていて、自分をよく理解している。スポーツ選手のようなストイックさをお持ちの方ではないかしら?と勝手に妄想しているところだ。お写真を拝見してもなんともかっこいい。

 

ライフスタイルの項目でも、ご自身が好きだと思うものだけに囲まれており、無駄がない。ガラクタなんてきっとすぐに処分してしまうことだろう。もっと若い頃、できれば10代でファッションやインテリアや料理に興味を持った頃、シニア世代のライフスタイル本から学んでおきたかった。お金がないからこそ、ガラクタに頼らず、本物を1点買いして長く大切に「物を育てる」ことを学ぶべきだった。今だからこそ思えることなのかもしれないが、もっと早くに自分の軸作りを始めるべきだった。結局安いマグカップ10個の価格は、憧れのマグカップ1個の価格に相当し、それを自分の手元に置くことで物を愛でる心も芽生えていたに違いない。

 

かっこいいシニアと言えば、この方もそうだ。

 

 

自分を知ることで、好きと嫌い、似合うと似合わないを把握し、自分に対する甘えを残さないことがかっこいい大人である、と知った。

 

こういう方に一度お会いしてみたいなあ。Kindle Unlimitedではなく紙の本も購入しておこうと思う程にかっこいいライフスタイルだった。