同級生のジョバンニとカンパネルラが 銀河を走る鉄道に乗り旅をする。Kindle青空文庫の無料本。
2ヶ月のリモートワークを終えて自分なりにストレスまではいかないけれど、ぼんやりとわだかまっているメリットとデメリットを上げてみる。
【メリット】
- 出勤の必要がないので移動時間が発生しない
- 楽な格好で仕事ができる
- 残業皆無
- ランチで困ることがない
- 会社の人との面倒な付き合いが減った
- 会いたくない人に会わずに済む
- 邪魔が入らないので集中して作業ができる
- 音楽聞いたりテレビを見たりも可能
- やろうと思いながらできなかった作業ができる
【デメリット】
- 仕事がない(関連地域も同様に滞っていて作業ができない)
- 関係ない仕事がたまーにやってくる
- 二度と会社に行きたくない体質になりつつある
- 暑くなり窓を開けると周りのリモートワークさんたちの音が入ってくる
- あとニオイも入ってくる
- 泣き叫ぶお子様たち…
と、まあこんな感じだが、文字に起こしてみると私は会社での人間環境に不満があったということがよくわかった。会社の管理体制が甘いので、週ごとに作業内容の報告書を送る以外に縛られている感が皆無なので他のちゃんとした会社のリモートワークをなさっている方とはかなり異なる生活かもしれない。ゆっくり仕事を進められたし、読もう読もうと思いつつ先延ばしにしていた資料を読んだり。テレビ会議だって数回しかなかったが、それは担当している仕事が海外の案件が多く、あちらもコロナで止まっているから仕方がない。私の場合、生産性という意味で言えば日々の会社での業務はこの調子だと週3の出勤でこなせるかも?と感じたので、復帰の際にはむしろ「残業しなくてはならないほどの業務とは一体何だったのか」について検討することで生産性をアップできるかもしれない。客観的に仕事と自分との関係を考えることができたこのリモートワークは大変ありがたい時間であった。もうあと数週間でまた出勤かと思うと、正直「今のうちに転職活動を進めておこうかな」とすら考えてしまう自分がいる。
しかし、2ヶ月しっかり給料も出ているわけだし、やはりなんらかの貢献は社会人としての義務なのでせめて心を入れ替えなくてはと『銀河鉄道の夜』を読んだ。心をきれいにしたかったのである!!!
宮沢賢治の童話はピュアな部分とダークな部分が織り交ぜられていると思う。ジョバンニとカンパネルラがこの作品の主人公で、ジョバンニは病気の母を支えるため学校の帰りに印刷所で仕事をしている。父は行方不明のようだし、姉も働いているようだ。こんな子供、今どき絶対いないと思う。自分より家族を優先するようなピュアな子がジョバンニ。カンパネルラはジョバンニの同級生だけれど、最近はジョバンニの家庭の事情プラス同級生からのいじめというか、仲間はずれというか、からかいというか、で一緒に遊ぶことはなくなっていはいるが、カンパネルラだけはジョバンニのことを決してからかうようなことはしない。やっぱりカンパネルラもピュア。そんな彼らを乗せた銀河を走る電車の中でキーとなるような人物や出来事がある。読むたびに心に刺さるものは違えども、銀河を走る電車と主人公の名前だけはいつもしっかり脳裏に刻まれている。
人はどこかで誰かとのつながりを求めるものなのだろうか。よく一人で生まれ、一人で死ぬと言われるが、その間の「人生」は一人で送るものではないのかもしれない。ジョバンニの言葉には「幸せ」とはなにかという壮大なテーマを考えさせるような重みがある。
とはいえ、小さい頃から何度も読んでいるこの本。詳細部分を忘れた頃に思い出すかのように手にとっては考えさせられる気持ちになるのに、今のこんなだらけた自分はなんだろうとしきりに反省。