Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#377 お化けより人!~「准教授・高槻彰良の推察2」

『准教授・高槻彰良の推察 2』澤村御影 著

尚哉、調査の要となる!

 

昨日に引き続き2巻目を読了。

 

 

1巻目では高槻先生の研究分野が怪奇であり、文学部1年で水曜の民俗学の授業を取っている深町尚哉が調査の手伝いをすることとなった流れが書かれている。高槻先生は怖い話を募集しており、ブログを運営して怖い話収集をしている。そこには実際に怪奇現象に怖い思いをしているので調査して欲しいという依頼が舞い込んでくることもある。尚哉は主にこの調査のお手伝いをしているのだが、道に迷いやすく、一般常識に疎い高槻をサポートするのが真の役目的なところも否めない。

 

本書では高槻先生がなぜ怪奇を研究することになったのかに触れている。きっとストーリーの上で大切な基盤設定が書かれている1冊となっていると思う。生い立ち、研究のきっかけとなった事件、強面な親友の健ちゃん、時に青く光る目、記憶力などなど、その理由がこの1冊にまとめられている。

 

中でも高槻先生の紳士的で温かく真っすぐな人柄が洗われているのが尚哉が高熱に倒れたシーンだ。一人暮らしの尚哉は人に頼ることができない。尚哉の耳は特殊な力があり、そのせいで人との距離を置く日々を過ごしているからだ。いざという時に頼れる人がこれといって浮かばない。高槻先生は尚哉の状況を本人以上に把握しており、すぐに救いの手を差し伸べた。

 

体調は回復に向かいつつあるも、高熱のせいで尚哉の聴力が一瞬衰えた。その力が消え失せてしまうことで、高槻先生との縁が疎遠になることを心配する尚哉だが、聴力だけではなく尚哉の人柄そのものを頼りにしているという高槻の言葉に元気を取り戻す。

 

それにしても、「怖い!」と思わせる現象には何等かの人による作為があるというのが良くわかるストーリーだ。3冊目、どうしようか迷うところだが、まずは手持ちの本をどうにかしなくては!