Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#216 お菓子を作る時、レシピに「小麦粉」とある場合は中力粉を使うと良いらしいです

 『Mornington Crescent東京の英国菓子』

日本で手に入る素材で作る英国のお菓子レシピ集。

 

在宅勤務は1に動かない、2に喋らない、3に食べ物&飲み物が手に届くところにある、という理由でどんどんと体がなまってくる。今年は「駄菓子は食べない」という目標のもと、出来る限りコンビニやスーパーなどで手に入るお菓子類は買わないことに決めた。どうしても食べたい時は専門店で買う。そうすれば無駄に食べ過ぎることも抑えることができるに違いないと思っていたのだが、なんとも甘い考えだった。

 

そもそも、だ。こうも閉じ込めらた環境にいるとストレスを発散する方法が限られてしまう。私のようなインドア派であれば家にいることのほうが快適だったりするのだけれど、また出勤する日を思うと胃が痛くなる。今は会社が爆破されることを願ってばかりで、会社がストレスのもとなのは間違いない。社交的な方であれば家に閉じ込められていることが大きなストレスとなるだろう。

 

そんな中でストレス解消となりそうなものは非常に限られ、私の場合は食べ物にすべての神経が向いてしまっている。もともと料理が好きなのでお菓子もたまに作るのだが、家でできるお菓子は小麦粉ベースものもが多い上にレシピはたいてい数人分の分量である。市販のホットケーキの粉だってたいていは一袋二人前(2枚)と多い。

 

よってつい、お取り寄せに手を出してしまった。美味しそうなお菓子を探すことも、買うことも妙な達成感があるからネットショッピングは恐ろしい。物流がしっかりしている日本ならではだと思うが、今や遠くの地域のお菓子が簡単に手に入ってしまうのだ。そこで読んでいる本や見た映画の影響にひっぱられ、ついつい夜な夜なお菓子をむさぼってしまう。

 

このままではエンゲル係数が大変なことになりそうなので、ここらで手作りに戻ることにした。まだまだ肌寒い朝晩ならばオーブンで部屋を温める効果もあるのでさらに吉。何か新しいレシピ本を購入しようとAmazonを徘徊している時にこの本を発見した。

 

著者は東麻布でモーニングトン・クレセントというshop兼お菓子教室を開いておられる方で、マンチェスターのご出身とあった。写真はどれも美しく、最近見たイギリス菓子系の本の中では群を抜いている。見るだけでも素敵なレシピ集で、日本語と英語でレシピが書かれているのも便利だ。

 

この本にも書かれているのだが、日本では小麦粉といえば薄力粉でお菓子にすると軽い仕上がりになる。でもイギリスで食べるケーキは重さもどっしり、味もヘビー。これはドライフルーツやナッツが入っているせいか?と思っていたけれど、そもそも粉が違うのだ。パン用、クッキー用、ケーキ用などなど用途別になっているものも多い。もし、日本でイギリス風のお菓子を作るならば中力粉が良いそうだ。

 

やっぱり1番最初に来るにはスコーンで、3種類が紹介されている。今回作ってみたくなったのはアップルパイだ。私はアップルパイが大好物で見つけるとすぐに買ってしまう習性がある上に、美味しいと評判のアップルパイは取り寄せてでも食べずにはいられない。ここではイギリスのクッキングアップルを使ったレシピを紹介しているのだが、なんと!今や日本でもクッキングアップルが生産されているという。長野と北海道に生産者がいらっしゃるとのことが書かれていた。

 

全般的に手の込んだ家庭のお菓子が多く、きっとイギリスの人なら小さな頃から親しんできたに違いないレシピが多い。そしてやっぱりナッツやドライフルーツが多く入る。ただ、注意しなくてはならないのは日本で手に入る材料で作ることができるようにレシピを検討したとあるが、住んでいる地域によっては手に入りにくい食材もあるだろう。今はネットで手に入るものが多いけれど、頻繁に使うとは言い難い食材も一部ある。

 

表紙のバッテンバーグケーキが美しすぎて、これは自分でもやってみたい!と思った。巻末にはマジパンの作り方も出ているのでこれは挑戦する価値がありそうだ。それにしてもイギリスのお菓子は食べ応えがあるので、またまた食べ過ぎてしまうのでは?という心配が尽きない。

 

ところで、イギリスの一般家庭では本当にこんなお菓子を頻繁に作って食べているのだろうか。おもてなし用もあるだろうけれど、こんなにもたくさんのお菓子の種類があるということにいつも驚いてしまう。もし日本の一般家庭で食べているお菓子のレシピを本にしましょう!というプロジェクトがあったとして、「いつもおうちで作るお菓子は何ですか?」と聞かれたとしよう。あんまん、おはぎ、お餅、団子、あんみつ、かき氷。。。この本のようにあれも!これも!と浮かんでは来なかった。きっとこの本はおうちでも作ろうと思えば作れるけれど、買ってしまったほうが早くて安くてお手軽な桜餅や羊羹など、ご自宅のキッチンで作る機会の減っているようなものも掲載されているのだろう。とにかく鮮やかできれいなお菓子がたくさんで見ているだけで幸せになれる。