Dahlia's book log だりあの本棚

読書で得た喜びをここに記録として残します。 こんな本を読みましたという備忘録として。

#080 今年(2020)に購入したお菓子本で文句なく1番満足した本

 『増補改訂 イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方』羽根則子 著

英国で主に好まれている135のお菓子とその作り方を紹介。

 

増補改訂 イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方

増補改訂 イギリス菓子図鑑 お菓子の由来と作り方

 

 

ずっとずっと欲しいと思っていた。常にアマゾンのカートに入れていたが、この本は絶対に紙版で購入したかった。長らく在庫がない状態で、ある日「オンデマンド出版」での購入のキーが出てきたのだが、オンデマンド出版がどのようなものかを理解していなかったので購入にはいたらず、いつか書店で見つけたら絶対買おう!とカート内で温めていた。1週間に一度はアマゾンのカート内と欲しいものリストをチェックしているのだが、8月に入り突然在庫が登場し、残るは数冊と表示されていた。もちろん即座に購入し到着してすぐより堪能している。

 

もとは背景の色が鮮やかな↓のようなデザインだったらしい。 

 

2015年に発売されたこの本に20種余りが追加されたのが今回の増補改訂版である。イギリスのお菓子関連のレシピ本はいくつも出ているけれど、正直この1冊があれば他はいらないかな?と思えるほどに充実している。面白いことにスコーンひとつでも地域によってレシピも違うし食べ方も異なるのがイギリスのすごいところ。類似のもので地域による違いと思われるスコットランドウェールズのお菓子もちゃんと別項目として紹介されているので読み応えがある。

 

図鑑と言うだけあって写真も美しく、それぞれのお菓子の歴史やどの地域で食べられているものなのを調べることもできる。また類似のお菓子のページの案内もあり、味や食感についても説明も秀逸だ。ああ、食べてみたい!と思えるレシピがいくつもあった。きっと「昔イギリスに旅行した時に頂いたお菓子なんだけれど名前がわからなくて」という思い出をお持ちの方にも重宝されるであろう。

 

レシピはページの下部に材料と作り方として紹介されている。そもそもイギリスのお菓子類の作り方はそれほど複雑ではない。現地のレシピ本を読むと「混ぜる」「焼く」くらいしか行程がなく、大いに想像力を働かせながら取り組まなくてはならないほどに圧縮されたレシピも多い。日本のレシピ本はとてもとても親切だと思うのだけれど、この本も簡単に説明しているようで、非常にわかりやすいのが特徴である。クッキーを焼いたことがある人ならばきっと作れる。さーっと写真に目を通すだけではなく、これがどういうお菓子なのかという説明を読むのも大変楽しくためになるので、気がつくとこの本を手にとって眺めてしまう。

 

誠文堂新光社から出ているお菓子の図鑑は他にイタリア、フランス、ドイツ、ポルトガルがあるらしい。イギリスだけでもこれほどの満足度となると、他国のものも欲しくなった。恐らく今年はこれ以上のお菓子本には出会えないだろうなと思う。大満足の1冊。