#162 鰹節、自分で削ればさらなる幸せ!
『あたりまえのぜひたく。6』 きくち正太著
コロナ禍で家呑みが増えた。どんなメニューが喜ばれるだろうか。
大好きな作品の6冊目が出ていることに気がついたので早速購入。秋田出身のご夫婦の日々の食事がなんともおいしそうでたまらない。
今回の目玉はおうちで作るスパゲティーナポリタンではないだろうか。ナポリ人曰く「こんなパスタ、ナポリにはないぞ」と仰るそうなのだが、ヨーロッパ人には割と好評だという話をどこかで聞いたことがある。ヤマザキマリさんがテレビでお話されていたような、いなかったような・・・
ナポリタン、この作品の中では昭和スタイルでとの前置きがある。確かにナポリタンは「喫茶店」のメニューで、この「喫茶店」自体がすでに昭和を彷彿させるものなのかもしれない。カフェではなく、喫茶店でなくてはならないのだ。レトロとも言えるような、愛煙家が足繁く通うようなところ。サイフォンでコーヒーを淹れてくれそうなところ。それが喫茶店である。
さて、あの毒々しいとも言えるまっかなパスタソースだが、決め手はパプリカ粉とあり「なるほどな!」と思った。一度服につくと洗っても取れないナポリタンの徹底した赤さはトマトだけではなかったようだ。
ナポリタンのほか、芋たこ南瓜の煮物やわらびなどなど著者の故郷である秋田の食材が並ぶ。
これを見て、そうだ買わねば早速物色しているものがある。
鰹節削り器。そう、家で鰹節をおろしたいのだ。ここまで立派なものでなくて良いので、簡単に使えそうなものを一つ購入してみたいと思っている。今や茅乃舎のだしがかなりおいしく日々の台所作業を支えてもらっているのだが、海外で生活するとなかなか手に入らない貴重なものとなる。出汁は和食の命なので、昆布、煮干しなどはもっていけるけれど、そこに鰹節もとなるとスーツケースがぱんぱんになる。しかももったいないからとなかなか使えずそれはそれは悩み深いのだ。だから自分で削れるようになれば新鮮なかつおぶしをいつまでも楽しめる。
やっぱり料理好きな方は自分で削るのね、と深く納得。